崔在亨

崔在亨：法曹界から政界へ、信念を貫く韓国の政治家

崔在亨（チェ・ジェヒョン）氏は、韓国を代表する政治家であり、法曹人でもあります。1956年9月2日、慶尚南道鎮海市（現・昌原市）に生まれました。海軍大領を務めた父、崔英燮氏の血を引く彼は、幼少期から規律正しい生活を送ったと伝えられています。

ソウル大学法学科卒業後、1981年に司法試験に合格。1986年、ソウル地方法院東部支院の判事を皮切りに、各地で判事や裁判所長を務め、司法界で研鑽を積みました。長年にわたる司法経験は、彼の公平で公正な姿勢の礎となりました。

2017年末、文在寅大統領から監査院長に指名され、2018年1月2日、第24代大韓民国監査院長に就任。しかし、在任中には、月城原子力発電所1号機に関する監査で、文在寅政権と対立することとなります。監査院は、1号機の早期閉鎖における経済性評価の不備を指摘。この発表は、脱原発政策を推進する文政権にとって大きな批判となり、崔氏は政権から強い反発を受けました。この出来事をきっかけに、崔氏は文大統領を公然と批判し、「原発に関する公約を履行するのに、手段と方法を選ばずに全て正当化できるのか」と疑問を呈しました。

監査院長在任中の政権との対立は、崔氏の人生における大きな転換点となりました。2021年6月28日、監査院長職を辞任し、政治への参加を表明。同年7月15日には国民の力に入党し、2022年大統領選挙への出馬を宣言しました。党内予備選では、順調に通過しましたが、最終的には敗退。しかし、その政治への意欲は衰えることなく、2022年3月9日に行われた鐘路選挙区の国会議員補欠選挙に出馬、当選を果たしました。

崔氏の歩みは、常に挑戦と葛藤の歴史でした。父や高校時代の恩師から、彼の「模範生タイプ」の性格は政治家には不向きだと評されたこともありました。しかし、彼は自身の信念を貫き、法曹界での経験、そして監査院長としての経験を活かし、政治の世界で活躍しています。

私生活では、2男2女の子供を持つ父親でもあります。息子たちは養子であり、養親による児童虐待問題への関心も高く、養子縁組制度の重要性を訴えています。また、敬虔なキリスト教徒でありながら、全羅北道の金山寺で仏教僧侶の追悼式に参加するなど、宗教を超えた統合と和合を訴える姿勢も見せています。高校時代にはポリオを患う友人と登下校を共にしたというエピソードは、彼の温かい人間性を示す一例と言えるでしょう。現在、その友人は弁護士として活躍しており、崔氏の後援会長を務めています。

崔在亨氏の生涯は、韓国社会における法と正義、そして政治のあり方について、多くの示唆を与えてくれるでしょう。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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