崔東原

崔 東原（チェ・ドンウォン）: 韓国野球のレジェンド

崔 東原（チェ・ドンウォン、1958年5月24日 - 2011年9月14日）は、韓国釜山広域市出身の元プロ野球選手であり、特にピッチャーとして著名です。彼はロッテ・ジャイアンツおよびサムスン・ライオンズに所属し、ロッテ時代に着用していた背番号11は永久欠番として今も尊重されています。崔は、「鉄腕」と称されるほど優れた投手であり、150km/hを超える速球と卓越した制球力で知られています。

来歴

崔は慶南高等学校で野球を始め、高校2年生の時には青龍旗全国高校野球選手権大会に出場し、慶北高校相手にノーヒットノーランを達成しました。この年には善隣高校との試合でも8回までノーヒットを記録し、大きな注目を集めました。高校3年生になると青龍旗大会の決勝で9回20奪三振という偉業を成し遂げ、MVPに選ばれました。

1981年にはメジャーリーグのトロント・ブルージェイズからオファーを受けましたが、兵役が未了だったため、夢のメジャーリーグ入りはかなわず、1982年まではアマチュア選手として過ごしました。

1983年に釜山を拠点とするロッテ・ジャイアンツに入団。初年度は9勝16敗という成績で苦しみましたが、入団2年目の1984年には51試合に登板し、27勝13敗、6セーブ、223奪三振、防御率2.40の成績を収め、最優秀選手に選ばれました。特に、韓国シリーズにおいては5試合に登板し、4勝を挙げてチームを優勝に導きました。この年の223奪三振は、2021年に更新されるまで韓国プロ野球のリーグ記録でした。崔はその卓越した成績から「鉄腕」と呼ばれるようになりました。

1987年まで、彼は四年連続で二桁勝利を達成しました。1988年には、プロ選手の待遇改善を目指して選手協会を設立し活躍しました。当時、彼が選手協会を作ったのは異例で、相次ぐ反発を受けながらも選手たちのために尽力しました。しかしながら、その後のキャリアに影響を及ぼすこともあり、1989年にはサムスンライオンズに移籍しますが、あまり目立つ成績を残せず、1990年に引退を決断しました。

引退後、1991年にはアメリカに渡り指導者としての研修を受け、同年に韓国の民主党から釜山市議会議員選挙に出馬しましたが、落選しました。その後、2001年にハンファ・イーグルスの投手コーチに就任しますが、1シーズンで退任。2005年には再びハンファに戻り、投手コーチや二軍監督として活動し、2008年に退団します。

2011年9月14日、大腸がんにより早逝。その数週間後の9月30日には、ロッテジャイアンツにおいて背番号11が永久欠番として正式に制定されました。2011年12月21日には、彼のライバルである宣銅烈との対決を映画化した「パーフェクトゲーム」が公開され、崔役には俳優のチョ・スンウが起用されました。

詳細情報

崔 東原の功績は数々に及び、多くのタイトルや表彰を受けています。

• - 最多勝利：1回（1984年）
• - 最多奪三振：2回（1984年、1987年）
• - MVP：1回（1984年）
• - ゴールデングラブ賞：1回（1984年）
• - 背番号11はロッテ・ジャイアンツの永久欠番（2011年9月に制定）

彼の背番号は現役時代に11号、引退後は75号を用いましたが、今もなお韓国野球界に大きな影響を与え続けています。

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