崔淑姫

崔 淑姫（チェ・スッキ）について

崔淑姫（チェ・スッキ、최숙희）は、1964年に韓国の釜山で生まれた著名な絵本作家兼イラストレーターです。彼女はソウル大学校の産業美術学科で視覚デザインを専攻し、その後は現代百貨店でのディスプレイ業務や韓国経済新聞社発行の雑誌編集を経て、1993年にフリーランスとしての道を歩み始めます。彼女の絵本制作は、ある偶然のきっかけによってスタートしました。

代表作

崔淑姫の代表作には、2005年に発表され、2009年には韓国の小学一年生の教科書に採用された『ケンチャナヨ』（日本語版タイトル：「いいじゃん」）があります。この本は各国語に翻訳され、多くの読者に親しまれています。また、彼女の作品『十二支の動物いないいないばあ』は、原題を「열두띠동물까꿍놀이」とし、1998年の出版以降、韓国国内で50万部以上の売り上げを記録しました。この絵本は2015年時点で、ベトナム、タイ王国を含む6か国での出版を果たしています。

盗作問題

しかし、彼女のキャリアの中で、盗作に関する問題が取り沙汰されることもありました。2015年9月、ハンギョレ新聞の報道によれば、彼女の作品『十二支の動物のいないいないばあ』が、日本の絵本『いないいないばあ』から基本コンセプトを流用したとされ、さらに2002年に出版した『川の水を飲み込んだめんどり』が、アメリカの作家レイン・スミスの表現手法を模倣したことを本人が認めたとのことです。こうした問題は、彼女の作品の評価に影を落とすこととなりました。

受賞歴

崔淑姫は数々の受賞歴を持つ作家でもあります。2000年には第1回ボリム創作絵本コンペで佳作を受賞し、2002年にはアジアイラストレーション・ビエンナーレで佳作を獲得しました。2005年にはボローニャ国際児童図書展で「今年のイラストレーション作家」として選ばれるなど、国内外で評価されています。

日本における出版物

日本においても崔淑姫の絵本がいくつか出版されています。例えば、1997年に出版された『アズキがゆばあさんとトラ（韓国民話絵本）』や、2006年に出版された『檀君－朝鮮半島の建国神話－』があります。また、彼女が手掛けた『いいじゃん』は2014年に出版され、日本の読者にも広く親しまれています。

まとめ

崔淑姫は、その独自の視点と魅力的なイラストで多くのファンを魅了してきた作家です。彼女の作品は、その物語性や視覚表現において、読者に深い感動を与え続けています。一方で、過去の盗作問題は、作家としての信頼性に影を落とすこともあり、その評価は賛否を呼んでいます。彼女の今後の作品にも大いに期待が寄せられています。

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