嵯峨野昇

嵯峨野 昇

嵯峨野 昇（さがの のぼる、1942年3月29日 - 2010年1月31日）氏は、神奈川県を郷里とするプロ野球選手でした。主に内野手としてプレーし、高校、大学、社会人を経てプロ球界入りを果たしました。

アマチュア時代の歩み

神奈川県の鎌倉学園高校で野球に打ち込んだ嵯峨野氏は、1959年の夏の甲子園県予選において、チームは準決勝まで勝ち進みました。しかし、この時は法政二高との対戦に敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後、氏は國學院大學へと進学し、東都大学野球リーグでプレーしました。当時の國學院大学は二部に位置していましたが、嵯峨野氏らの尽力により、1963年春季リーグからは一部リーグへと昇格を果たしました。

大学を卒業後、嵯峨野氏は社会人野球の名門である日立製作所に入社しました。社会人野球選手として、その才能を開花させます。特に1965年には目覚ましい活躍を見せました。同年の第20回選抜社会人野球東京大会では、チームが初の優勝を遂げる上で中心的な役割を担いました。この大会で四番打者、そして三塁手を務めた氏は、打撃で圧倒的な成績を残します。19打数から11本の安打を放ち、打率は.579という驚異的な数字を記録しました。さらに9打点を挙げ、大会の最高殊勲選手賞と首位打者賞の両方を獲得するという快挙を成し遂げ、社会人野球界屈指の打者としてその名を轟かせました。

同じ1965年の都市対抗野球大会にも出場しました。チームは、日本鉱業日立から補強された簾内政雄投手らの好投に支えられ、準々決勝まで勝ち上がりましたが、惜しくも住友金属に敗れ、大会を終えました。社会人野球でのこの輝かしい実績が、プロ野球界からの注目を集めることとなります。

プロ球界へ

1965年のプロ野球ドラフト会議において、嵯峨野氏は東京オリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズの前身球団の一つ）から3位で指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることとなりました。

東京オリオンズには1966年に入団しました。入団当初から背番号10を背負い、新たな環境での飛躍が期待されました。

しかし、プロ野球の世界は厳しく、層の厚いチーム事情などもあったのか、公式戦への出場機会は限られました。プロとして在籍した期間は1966年から1968年までの3年間でしたが、公式戦に出場したのは1967年シーズンにおけるわずか1試合のみでした。

そして、1968年シーズンを最後に、嵯峨野氏はプロ野球選手としての現役生活にピリオドを打ちました。

まとめ

嵯峨野昇氏は、高校、大学でチームのレベルアップに貢献し、特に社会人野球時代には選抜大会での個人二冠を獲得するなど、傑出した打撃能力を発揮しました。その才能が評価されプロ入りを果たしましたが、プロの舞台ではその能力を十分に発揮する機会に恵まれず、短い現役生活となりました。しかし、アマチュア野球で残した輝かしい功績は、今も多くの野球ファンの記憶に残っています。

（背番号：10 （1966年 - 1968年））

もう一度検索