嶋崎丞

嶋崎丞：日本の陶磁器研究に貢献した学者と美術館長

嶋崎丞氏は、1932年4月17日、石川県小松市に生まれました。87年の生涯において、日本の陶磁器研究に多大な貢献を果たした人物として知られています。

学術的なバックグラウンドを土台に、嶋崎氏は日本の陶磁器研究の世界に没頭しました。立教大学卒業後、九州大学大学院文学研究科国史学専攻修士課程を修了しています。この堅実な学問的基盤が、彼の後々の研究活動の礎となったことは間違いありません。

1959年には石川県美術館の職員となり、資料課長、専業課長を歴任した後、1980年には石川県立美術館の開設準備室長に就任。その後、1983年には副館長、そして1991年には館長に昇進しました。さらに、石川県七尾美術館館長、石川県文化財保存修復工房所長を兼任するなど、精力的に活動しました。

美術館でのキャリアを通して、嶋崎氏は日本の陶磁器に関する膨大な知識と経験を蓄積しました。その専門知識は、彼の執筆活動にも活かされています。多くの著書、共著、そして論文を発表し、日本の陶磁器文化の発展に貢献しました。

主な著書には、『日本の陶磁 九谷』（保育社）、共著編・監修として『日本陶磁全集 26 古九谷』（中央公論社）、『日本やきもの集成 4 北陸』（平凡社）、『日本の美術館 5 甲信越/北陸』（ぎょうせい）などがあります。また、『九谷焼 歴代の作品でつづる九谷焼の歴史』（石川県九谷陶磁器商工業協同組合連合会）の監修を務めるなど、幅広い分野で活躍しました。

2019年12月18日には、「第60回美術家まつり」に出席していましたが、席上で意識を失い、翌19日、虚血性心疾患のため、石川県立中央病院で逝去されました。

嶋崎氏の多大な功績は、彼が残した数々の出版物を通して、これからも多くの人々に伝わるでしょう。

なお、嶋崎氏には著名な親族が多くいたことでも知られています。兄には実業家の嶋崎弘氏、参議院議員の嶋崎均氏、衆議院議員で政治学者の嶋崎譲氏、さらに東洋交通社長の東方歩氏などがいます。妹には立正短期大学教授の嶋崎晶子氏がいます。これら著名な親族との関係も、彼の生涯を考える上で興味深い要素と言えます。

嶋崎丞氏の功績は、日本の陶磁器研究、そして美術館の運営という二つの分野で、その名を後世に残すにふさわしいものでした。彼の没後も、その業績は多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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