嶋田直人

嶋田 直人

嶋田 直人（しまだ なおと）は、1991年5月21日生まれ、京都府出身の元ラグビーユニオン選手である。現役時代は主にフォワード第三列のフランカー（FL）やナンバーエイト（No.8）として、その運動量と力強いプレーでチームに貢献した。ニックネームは「シマ」。

キャリア

アマチュア時代

中学校でラグビーと出会い、競技の道を歩み始める。その後、ラグビー強豪校として名高い京都市立伏見工業高等学校に進学し、才能を大きく開花させた。高校時代には高校日本代表候補にも選出されるなど、将来を嘱望される存在となる。

高校卒業後は、関西大学ラグビーリーグの強豪、立命館大学へ進学。大学1年次からレギュラーとして試合に出場し、早くからチームの中心選手として活躍した。2年次の冬には大きな怪我に見舞われ、一時的に戦線から離れる苦難を経験するが、懸命なリハビリを経て3年次には見事な復帰を遂げる。最終学年となった4年次には副将を任され、チームを牽引。そのリーダーシップと活躍により、立命館大学ラグビー部を12年ぶりとなる関西リーグ優勝へと導く立役者となった。

プロキャリア

大学での輝かしい実績を引っ提げ、2014年にトップリーグ（当時）のキヤノンイーグルス（現在の横浜キヤノンイーグルス）へ加入し、プロラグビー選手としてのキャリアをスタートさせた。加入初年度の2014年12月14日、ジャパンラグビートップリーグ2ndステージのトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦に途中出場し、記念すべき公式戦デビューを飾る。

チームへの貢献度は高く、プレー面だけでなく精神的な支柱としても存在感を示した。その信頼の厚さから、2018年から2020年までの3シーズンは、チームメイトである庭井祐輔と共に共同主将を務め、チームをまとめた。

トップリーグ最終シーズンとなった2021年には7試合に出場。新たなプロリーグとして発足したジャパンラグビーリーグワンの初年度（2022年）には、フォワード第三列の主軸として定着し、リーグ戦15試合すべてに先発出場を果たすなど、衰えを知らないパフォーマンスを披露した。

日本代表候補と国際舞台

国内リーグでの安定した活躍が評価され、2022年春には日本代表候補に選出される。次世代の代表選手育成を目指すナショナル・デベロップメント・スコッド（NDS）にも招集され、エリートレベルでのトレーニングを経験した。また、2022年6月11日には、トンガでの噴火被害支援を目的としたチャリティマッチ「エマージング・ブロッサムズ vs トンガ・サムライフィフティーン」に「エマージング・ブロッサムズ」の一員として出場し、国際舞台での経験も積んだ。

チームの躍進を支え、大記録達成

横浜キヤノンイーグルスにおける中心選手としての役割は揺るぎなく、2022-23シーズンは主に背番号7番として、先発13試合を含むリーグ戦計17試合に出場。チームのリーグワン DIVISION 1でのトップ4入り（プレーオフ進出）に大きく貢献した。

長年にわたりトップレベルでのプレーを継続した結果、2024年12月29日に行われたジャパンラグビーリーグワン2024-25シーズン第2節、コベルコ神戸スティーラーズ戦において、トップリーグ時代からの通算出場試合数が100試合に到達（トップリーグ53試合、リーグワン47試合）という偉業を達成した。これは、選手として長く第一線で活躍してきた証である。

現役引退

2025年3月7日、所属する横浜キヤノンイーグルスを通じて、2024-25シーズン限りでの現役引退を正式に表明した。そして、プロ選手としての最後の舞台となったのは、2025年5月10日に開催されたリーグワン2024-25 DIVISION 1の最終第18節、東芝ブレイブルーパス東京戦だった。この試合に先発メンバーとして出場した嶋田は、フルタイムのホイッスルとともに、約11年間にわたるプロキャリアに終止符を打った。彼のリーグ戦通算キャップ数は112試合となった。

中学でラグビーを始め、高校、大学でチームを勝利に導き、プロではタフなバックローとしてチームを支え続けた嶋田直人。主将も務めるなど、常にチームにとって欠かせない存在であり続けた彼の献身的なプレーは、多くのファンの記憶に刻まれた。

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