嶺上開花

嶺上開花：麻雀における奇跡の一手

嶺上開花（リンシャンカイホウ）とは、麻雀において、槓（カン）をした後に補充される嶺上牌（リンシャンパイ）で和了（アガリ）することによって成立する役です。その発生率の低さと、劇的な展開をもたらすことから、麻雀における特別な役として知られています。

嶺上開花の成立条件

嶺上開花は、以下の条件を全て満たした場合に成立します。

1. 槓を行う: 暗槓、明槓いずれでも構いません。
2. 嶺上牌を引く: 槓によって不足した牌を補充するために、嶺上牌を引きます。
3. 嶺上牌で和了する: 引いた嶺上牌が、自分の和了牌となる必要があります。

この条件を満たすと、嶺上開花として1翻が加算されます。門前（ツモ以外で牌を捨てていない状態）の場合は、さらに門前清自摸和（メンゼンチンツモ）の1翻も加算されます。

点数計算と特殊なルール

嶺上開花の点数の計算は、通常のツモ和了と同様に行われます。ただし、大明槓からの嶺上開花の場合、一部のルールでは、槓をさせたプレイヤーが責任を負う場合があります（大明槓の包）。また、台湾麻雀などでは、チョンボとなる場合もあります。連続した槓による嶺上開花の場合にも、大明槓の包を認めるルールもあります。

日本においては、昭和5年頃まではツモ符（2符）が加算されていませんでしたが、その後、ツモ符を加算するルールが一般的になりました。しかし、過去にはツモ符を加算しないルールを採用する団体もありましたが、2023年現在では主要な麻雀団体は全てツモ符を加算するルールとなっています。

他の役との組み合わせと特殊なケース

嶺上開花は、他の役と複合することがあります。例えば、槓ドラがあるルールでは、暗槓・明槓どちらでも槓ドラを数えることができます。しかし、明槓で嶺上牌をツモってから槓ドラをめくる場合、槓ドラを認めないルールもあります。

三人麻雀の抜きドラにおいては、抜いた牌の補充として嶺上牌を引いた際にツモ和了した場合、嶺上開花とみなす場合があります。これは、槓を行わずに嶺上開花が成立する唯一のケースです。オンライン麻雀では、天鳳や雀魂などでこのルールが採用されていますが、真・雀龍門などでは採用されていません。

海底摸月（ハイテイボウゲツ）とは複合しません。海底摸月は、最後の牌で和了した場合に成立する役ですが、嶺上牌は海底牌ではないためです。

嶺上開花の発生率と歴史

聴牌状態で槓を行い、さらに嶺上牌で和了する必要があるため、嶺上開花の発生率は非常に低いです。他の1翻役と比較しても、その発生確率は格段に低いと言えるでしょう。

麻雀の歴史を振り返ると、嶺上開花は初期は4符役でしたが、日本に麻雀が伝わるまでの間に10符役を経て、現在の1翻役となりました。

まとめ

嶺上開花は、麻雀における非常に珍しい役であり、その成立には高い技術と運が求められます。その発生率の低さと、劇的な展開をもたらすことから、麻雀プレイヤーにとって特別な魅力を持つ役と言えるでしょう。本記事では、嶺上開花の成立条件、点数計算、特殊なルール、他の役との組み合わせ、歴史的変遷などについて詳しく解説しました。これらの情報を参考に、より深く麻雀の世界を理解していただければ幸いです。

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