槓

麻雀における「槓（カン）」：槓子の種類、手順、戦略、そして得点計算

麻雀における「槓（カン）」とは、同一の牌を4枚集めて作る「槓子（カンツ）」を成立させるための行為です。槓は、大きく分けて暗槓（アンカン）、大明槓（ダイミンカン）、加槓（カカン）の3種類があります。加槓は小明槓（ショウミンカン）とも呼ばれ、大明槓と加槓を合わせて明槓（ミンカン）と総称します。

槓子（カンツ）とは

槓子とは、同種の牌4枚で構成される面子（メンツ）です。通常の面子（刻子・順子）とは異なり、以下の特徴があります。

4枚の牌で構成される
槓を宣言しないと槓子として認められない
暗槓の場合でも公開する必要がある
成立した槓子に含まれる牌は、その局が終了するまで河に捨てることができない

4枚使い（カンコ使い）と呼ばれる役は、槓をせずに手牌内で4枚の牌を使用する状態を指し、槓子とは区別されます。

槓の手順

槓は、以下の手順で行います。

1. 「カン」と発声する
2. 槓子とする4枚の牌を所定の形式で晒す
3. 嶺上牌（リンシャンパイ）を取得する
4. 打牌する

加槓の場合は、搶槓（チャンカン）がなかった時点で槓が成立します。嶺上牌が和了牌だった場合は、嶺上開花（リンシャンカイホウ）という役が成立します。

槓の種類

暗槓（アンカン）

手牌の中に同種の牌が4枚ある場合に、自分の手番で自摸（ツモ）した後、打牌する前に行う槓です。4枚のうち両端または中央の2枚を裏返して晒します。門前を崩したことにはならず、リーチ後でも条件を満たせば暗槓できます。

大明槓（ダイミンカン）

手牌の中に暗刻子（アンコーツ）があり、他のプレイヤーがその4枚目の牌を捨てた場合に、その牌を取得して槓子とする行為です。チー（吃）よりも優先されますが、発声優先のルールもあります。大明槓による嶺上開花は、槓させたプレイヤーの責任払いとなる場合があります。

加槓（カカン）

ポン（碰）した明刻子（ミンコーツ）に、その牌の4枚目を加えて槓子とする行為です。自摸してきた場合と、すでに手牌に持っている場合があります。加槓は搶槓される可能性があります。

槓ドラ（カンドラ）

槓が成立した時に、ドラ（ボーナス牌）を増やすルールが一般的です。このドラを槓ドラといい、以降この牌を2つ目のドラ表示牌として扱います。槓ドラ表示牌をめくるタイミングは、ルールによって異なります。

暗槓は即めくり、明槓は打牌後
暗槓、明槓に関わらず即めくり

リーチ者の和了については、槓ドラの下（裏）の牌もドラ表示牌として扱う槓ウラというルールもあります。

槓の制限

1つの局において、以下のいずれかの状態になった場合は、それ以降の槓を行うことができません。

1. 槓が4回成立した
2. 王牌（ワンパイ）を除いた壁牌（カベハイ）が0枚になった

1の状態は四開槓（スーカイカン）として途中流局とするルールもあります。

槓のメリットとデメリット

メリット

刻子よりも高い符（フ）が得られる
嶺上牌の取得により、事実上自摸が1回増える
嶺上開花、三槓子（サンカンツ）、四槓子（スーカンツ）などの役が狙える
ドラが増える。リーチであれば槓裏により2倍に増えるルールも多い
他家の一発を消滅させることができる
相手の順子の成立が不可能になる場合がある

デメリット

槓子となった牌は捨てることができなくなる
槓子となった牌は他の面子に組み替えることができなくなるため、手牌の自由度が損なわれる
槓子を晒すことにより、他のプレイヤーに情報を与えてしまう
他のプレイヤーにとってもドラが増える
* 加槓の場合、搶槓のリスクがある

まとめ

槓は、麻雀の戦略において重要な要素の一つです。槓の種類や手順、メリットとデメリットを理解し、状況に応じて適切な槓を選択することが、勝利への鍵となります。

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