巖金四郎

巖 金四郎について

巖金四郎（いわお きんしろう、1911年9月24日 - 1994年12月30日）は、昭和を通じて活躍した日本の俳優、声優、朗読家です。東京府東京市（現在の東京都文京区）に生まれた彼は、明治大学商学部を中退し、本名でも活動を行いました。

金四郎はプロダクション・タンクに所属し、声優の先駆けとして広く認識されています。特に全国芸能団運営会の会長や、元東京放送劇団の代表としても知られています。彼は中学校時代から演劇や映画に強い興味を持ち、学校を休んでまで浅草の劇場に通っていたといいます。

大学在学中は演劇部に参加し、1936年には上二証券に入社。その後、1941年にNHK東京放送劇団が発足した際には第1期の研究生として入団しました。同期には富田仲次郎や加藤道子が名を連ねています。彼はその後、俳優や声優として活動を本格化させ、特に声優としてはラジオの黎明期を支える活躍を見せました。1947年から放送されたNHKラジオドラマ『向う三軒両隣り』では、坂東亀造役で一躍有名となり、においては看板俳優としての地位を確立しました。

朗読家としても金四郎は評価され、1959年には優れた朗読家に贈られる和田賞を受賞しています。彼のテレビアニメでの代表作には『ペリーヌ物語』のビルフラン役や『アルプス物語 わたしのアンネット』のペギン爺さん役があります。

1959年6月の東京放送劇団の体制変更に伴い、金四郎は運営委員に就任。そして劇団を退団後はKプロダクションや番衆プロなどを経た後にプロダクション・タンクへ所属しました。その後、フリーとして活動する時期もありました。

金四郎は1994年12月30日に肺炎のため、埼玉県川越市の病院で亡くなりました。享年83歳でした。

人物

金四郎の声種はテナーであり、趣味は御面集めや旅行と多岐にわたりました。彼の長年のキャリアの中での貢献は、今もなお多くの人々によって評価されています。

活躍の場

金四郎は数多くのラジオ番組やテレビドラマに出演し、特にラジオでは『銭形平次捕物控え』や『向う三軒両隣り』などが代表的です。テレビドラマにも『風流あじろ笠』や『赤穂浪士』など多数の作品に出演しました。

劇場作品でも活躍し、数多くの舞台に登場しました。また、声優としてもアニメや映画に多く抜擢され、さまざまなキャラクターを演じました。特に劇場アニメ『西遊記』や、声の吹き替えでは『刑事コロンボ』シリーズなどで名を馳せました。

受賞歴

彼の多くの功績は公式にも認められ、1955年には芸術祭奨励賞を受賞、また1980年には紫綬褒章、1986年には勲四等旭日小綬章を受けるなどの名誉も得ています。

金四郎は日本のエンターテインメント界における先駆者であり、その功績は今も人々の記憶に残っています。

もう一度検索