川上村 (山口県)

川上村（かわかみそん）：阿武川と共に生きた村の記憶

川上村は、かつて山口県の北部に位置し、阿武川とその支流が流れる自然豊かな村でした。2005年3月6日、萩市、田万川町、むつみ村、須佐町、旭村、福栄村との合併により、新たに萩市が発足し、川上村はその歴史に幕を閉じました。

地理

村の中央を阿武川が流れ、阿武川ダムのダム湖が村の景観を特徴づけていました。四方を山々に囲まれた地形のため、平坦な可住地は限られていました。

隣接していた自治体は、福栄村、萩市、旭村、阿東町です。

歴史

1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、川上村が単独で自治体を形成。
1975年（昭和50年）：阿武川ダムが完成。村内2つの地区が水没。
2005年（平成17年）3月6日：萩市など6町村と合併し、萩市が発足。川上村は廃止。

行政

旧川上村役場は、合併後、萩市役所川上総合事務所として、地域住民への行政サービスを提供しています。川上地域には、役場の支所や出張所はありません。

経済

川上村の基幹産業は林業と農業でした。しかし、林業は海外からの輸入材との競争が激化し、厳しい状況にありました。農業では、ゆずが特産品として知られています。阿武川の鮎は観光資源としても期待され、長門峡竜宮淵では「あゆまつり」が開催されるなど、地域をあげてPR活動が行われていました。

地域

川上地域は、山口県内でもっとも人口が少ない地域のひとつでした。人口が少ないため、高齢化率や出生率などの変動が激しいという特徴がありました。

教育

村内には、川上小学校と川上中学校がありました。

観光

長門峡：阿武川がつくりだした美しい渓谷。
阿武川ダム：ダム湖は周辺の景観と調和し、観光スポットとなっています。
阿武川民俗資料館：地域の歴史や文化を伝える資料を展示。
阿武川温泉：自然に囲まれた温泉地で、リラックスした時間を過ごせます。

交通

鉄道：村内には鉄道路線が通っていません。鉄道を利用する場合は、JR西日本山陰本線の萩駅または東萩駅が最寄りとなります。

路線バス：かつては長門峡の川上側入り口である竜宮淵や旭村との境にある笹尾地区まで路線バスが運行していましたが、現在は阿武川ダム上流の惣良台入り口までとなっています。惣良台入口へ向かうバス以外はすべて、村の中心から少しはずれた国道262号にある長門峡北入口停留所を経由します。

JRバス中国 防長線：東萩駅 - 山口駅
防長交通：東萩駅 - 新山口駅新幹線口、萩バスセンター - 東萩駅 - 惣良台入口、東萩駅 - 秋芳洞

道路：国道262号が村の西部を通り、中心部には阿武川沿いに山口県道67号萩川上線が通っています。

一般国道：国道262号
主要地方道：山口県道10号山口福栄須佐線、山口県道67号萩川上線
一般県道：山口県道293号萩長門峡線、山口県道310号迫田篠目停車場線、山口県道360号笹尾筏場線

その他

川上地域の郵便番号は、合併により全域が萩市川上となり、758-0141に統一されました。

川上村は、その名は地図から消えましたが、阿武川の流れと共に、その歴史と文化は今も地域の人々の心に生き続けています。

もう一度検索