国道262号

国道262号：山陰と山陽を繋ぐ歴史と変化の道

国道262号は、山口県萩市を起点に防府市に至る一般[[国道]]です。古くからの街道である萩往還をほぼ辿り、山陰地方と山陽地方を結ぶ重要な役割を担っています。「松竹梅道路」や「維新街道」といった、歴史を感じさせる愛称も持ちます。

変化に富む道程

萩市から山口市にかけては、阿武川に沿って走り、山間部を縫うように進むため、カーブやトンネルが多く存在します。しかし、全区間が2車線で整備されており、通行に困難な区間はありません。阿武川沿いの区間は、蛇行を避けるための萩道路（山口県道32号萩秋芳線の一部、無料区間）が開通しており、スムーズな走行を支援しています。

一方、萩市佐々並から山口市にかけては、萩往還から離れ、山口市東部を迂回するルートとなっています。この区間は、旧街道である山口県道62号山口旭線が萩往還に沿って走っていますが、峠越え区間を中心に未改良区間が多く残っており、走行には注意が必要です。

山口市に入ると国道9号と重複し、その後は山口市と防府市をほぼ直線で結ぶ4車線道路となります。この区間は、両市を繋ぐ重要な幹線道路として整備され、快適な走行が可能です。

歴史を刻む国道

国道262号の歴史は古く、1963年に二級[[国道]]262号萩防府線として指定されました。その後、山口国体の開催や、地域開発に伴い、幾度かの改良工事が行われ、バイパスの建設なども進められてきました。特に1995年には、山口市の大内宮野バイパスが全線4車線化され、交通事情の改善に大きく貢献しています。

しかし、2009年には記録的な豪雨により、佐波山トンネル付近で土砂崩れが発生し、通行止めとなる事態も発生しました。この際には、代替ルートの高速道路の無料化措置が取られるなど、災害への対応も課題となっています。

道路施設と周辺環境

国道262号沿いには、いくつかの橋梁やトンネルが整備されています。代表的なものとして、萩市の椿大橋や山口市の宮野新橋、そして山口市と防府市の境にある佐波山トンネルなどが挙げられます。また、道の駅「あさひ」も国道沿いに位置し、休憩や観光の拠点となっています。

周辺地域には、山陰本線、山口線、山陽新幹線といった鉄道網も存在し、道路交通と連携した地域社会を形成しています。山間部を通るため、釿ノ切峠、国道262号最高地点、坂堂峠といった峠道も存在し、自然豊かな景観も楽しめます。

逸話：イチローロード

2004年、イチロー選手のメジャーリーグ年間最多安打記録更新（262安打）を記念し、国道番号と安打数が同じであることから「イチローロード」と名付けようとする動きがありました。しかし、イチロー選手の意向などを考慮し、商標登録は断念されました。

まとめ

国道262号は、歴史と自然、そして現代の交通事情が複雑に絡み合った道路です。歴史的な街道を辿りながら、現代の交通インフラとして整備されたその姿は、日本の道路の歴史と発展の一端を示す重要な存在と言えるでしょう。今後も、地域社会の発展に貢献していくことが期待されます。

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