川上町高山市

岡山県高梁市川上町高山市：歴史と文化が息づく旧市場町

川上町高山市は、岡山県高梁市に位置し、井原市との境界にまたがる地域に、歴史的な町並みを残す集落です。吉備高原の一角、標高550m〜600mに位置し、「上市」「中町」「下市」の3つの集落が市街地を形成しています。

市場町としての隆盛

「高山市」という地名は、かつてこの地で市場が開かれていたことに由来します。備中笠岡（現：岡山県笠岡市）と備後東城（現：広島県庄原市）を結ぶ東城往来のほぼ中間に位置し、中世から大正初期にかけて、物資輸送の中継地として栄えました。また、穴門山神社の門前町としても賑わいを見せました。

高山市の市場圏は「高山八八里」と呼ばれ、東城、上下、高梁、成羽、笠岡、矢掛、福山、府中といった周辺地域との結びつきが強く、川上郡における成羽と並ぶ商業の中心地として発展しました。高山市を中心に四方八方に延びる街道は、「高山往来」または「高山市往来」と総称され、人や物の流れを支えました。

衰退と現状

明治以降、東城往来の経路変更や国道182号の整備など、道路網の変化により、物資輸送の中継地としての重要性は徐々に低下しました。1935年（昭和10年）には、中町で発生した火災により大きな被害を受け、かつての繁栄は失われました。

現在は、山村の小さな集落として佇む高山市ですが、歴史ある古い町並みは今もなお残されており、往時の面影を偲ぶことができます。

歴史

1871年（明治4年）：廃藩置県により、深津県に属す。その後、小田県を経て岡山県に編入。
1887年（明治20年）：川上郡高山市村が高山村、大原村と合併し、川上郡高山村が成立。
1889年（明治22年）：町村制施行により、高山村の地名となる。
1935年（昭和10年）：中町で大火が発生。
1954年（昭和29年）：合併により川上町となる。
2004年（平成16年）：高梁市との合併により、高梁市川上町高山市となる。

交通アクセス

道路：岡山県道・広島県道9号芳井油木線、岡山県道77号美星高山市線などが利用可能。
旧街道：高山往来、東城往来、石州街道、平川往来などが集落を繋ぐ。
最寄りIC：中国自動車道東城IC、岡山自動車道賀陽IC、山陽自動車道笠岡IC
最寄り駅：JR西日本芸備線東城駅、JR西日本伯備線備中高梁駅、井原鉄道井原線井原駅

参考文献

赤木誠一 著 『吉備高原 花の弥高山』
赤木誠一 著 『神山散歩』
赤木誠一 著 『高山市風土記』
岡山大学教育学部内 地域研究会 編著 『芳井町誌』
川上町教育委員会 編著 『川上町史』
富阪晃 著 『歴史散歩 岡山町並み紀行』


高山市は、歴史的な背景と豊かな自然に囲まれた魅力的な地域です。古い町並みを散策し、往時の繁栄に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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