川俣浩明

川俣 浩明（かわまた ひろあき）氏は、1972年8月12日に神奈川県横浜市で生まれました。かつてはプロ野球選手としてマウンドに立ち、現在は高校野球の指導者として、選手たちの育成に情熱を注いでいます。

アマチュア時代

野球への関心は小学校3年生の時に芽生え、この頃から本格的に野球を始めました。

高校は、現在の藤沢翔陵高等学校にあたる藤沢商業高等学校に進学し、2年生の春には投手陣の中心、つまりエースとして活躍しました。最後の夏は、県大会で惜しくも5回戦で敗れましたが、高校球児として精一杯のプレーを見せました。

高校卒業後、大阪ガスに入社し、社会人野球の道へ進みました。大阪ガスでは、都市対抗野球などの主要大会で経験を積みました。都市対抗野球では主にリリーフ投手として登板機会を得ましたが、特に1996年の社会人野球日本選手権ではその実力を存分に発揮しました。初戦で延長10回を一人で投げ抜き完投勝利を収めると、続く2回戦では、後にプロ入りする本田技研の入来祐作投手との投げ合いを制し、チームをベスト8進出に導く原動力となりました。この社会人野球での確かな実績が、プロへの扉を開くこととなります。

プロ野球時代

1996年秋に行われたドラフト会議で、川俣氏は千葉ロッテマリーンズから3位指名を受け、念願のプロ野球選手となりました。背番号は「15」が与えられ、プロの世界に足を踏み入れました。

プロ入り後、1997年シーズンにはプロ初となる一軍での登板を果たしました。初登板は1997年5月25日、千葉マリンスタジアムで行われたオリックス・ブルーウェーブ戦でした。この試合では4回表に2番手として救援登板し、2回1/3を投げ、5失点を記録しましたが、プロでの第一歩を刻みました。また、この初登板の試合で、4回表に塩崎真選手からプロでの初奪三振を記録しています。

千葉ロッテには2001年シーズンまで所属しましたが、この年限りで自由契約となります。しかし、プロでのプレー続行を諦めず、阪神タイガースの入団テストに挑戦し、見事合格。新たなチームで再出発を図りました。

阪神では背番号「58」をつけ、2002年シーズンは登録名も「川俣 ヒロアキ」に変更しましたが、残念ながら一軍での登板機会は得られず、2002年シーズン終了後に再び自由契約となり、この年限りで現役を退くこととなりました。プロ通算では一軍登板は千葉ロッテ時代の数試合にとどまりましたが、プロの厳しさとレベルを肌で感じた経験は、その後の人生に大きな影響を与えました。

引退後の活動

プロ野球引退後、川俣氏は一時的に建設工事関連の会社に勤務しましたが、約1年で退職。新たな道として教育者の道を志し、神奈川大学に入学して社会科の教員免許取得を目指しました。

大学で教育について学び、教員免許を取得した後、2008年には自身が学んだ母校である藤沢翔陵高等学校に教員として赴任しました。そして、2010年からは同校硬式野球部の監督に就任し、現在に至るまで、自身の選手時代の経験、特に社会人野球やプロ野球で培った技術や知識、精神面での学びを活かし、後進の指導に情熱を注いでいます。

選手としてのキャリアを終えた後、教育者として再び母校のグラウンドに戻り、次世代の球児たちを育てている川俣浩明氏。その豊富な経験は、多くの球児たちの成長の糧となっています。

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