川合村 (岐阜県揖斐郡)

川合村について

川合村（かわいむら）は、かつて岐阜県揖斐郡にあった村です。現在の地理的には揖斐郡大野町の南部、また安八郡神戸町の西座倉に該当します。この村は、揖斐川と根尾川の合流点の上流部分に位置し、両河川が村の西側と東側を流れています。その名称は、これらの川が合流することに由来しています。

歴史的背景

川合村の歴史をさかのぼると、江戸時代の末期には美濃国大野郡に属し、尾張藩、大垣藩、旗本領といった異なる藩が混在する複雑な地域でした。明治30年の1897年4月1日に、これらの地域が統合され、揖斐郡が成立します。同日、川合村が正式に発足しました。1960年には大野町に編入され、その結果川合村は廃止されました。

やがて、旧川合村の一部である西座倉は、川合村が大野町に編入された後、分離して神戸町に編入されることになります。この分離は、当初からの合意に基づいたものでした。

教育制度

川合村には教育機関として、川合村立川合小学校（現在の大野町立南小学校）や、組合立の揖東中学校（現・大野町立揖東中学校）が存在していました。これらの学校は地域の教育の中心として機能していました。

史跡と観光地

川合村には観光名所もいくつか存在しています。特に「揖斐二度桜」は知られた名所であり、多くの人々が訪れます。また、上磯古墳群は歴史的な価値が高く、地域の文化を伝える貴重な遺産となっています。

分村問題

川合村は、1954年に豊木村、西郡村、富秋村とともに大野町との合併を考えていましたが、村の南部に住む住民たちは神戸町との合併を強く希望していました。このため、彼らは岐阜県に対してその旨を申し出ましたが、県はその申請を拒否しました。住民たちの運動は激化し、1956年には小学生全員が川合小学校から神戸町立神戸小学校に転校するという強行手段を取ったこともあります。

1957年には、県と川合村が協議し、南部の住民を対象に分村の賛否を住民投票で決定することになりました。その結果、賛成が過半数を占めましたが、法定得票数に達しなかったため、実質的に分村は否決されました。しかし1959年には、その住民と村の間で話し合いが行われ、最終的に川合村は大野町への編入が決定される際、特に西座倉地区については近い将来に分離し神戸町に編入されるという条件が付けられました。これにより、西座倉地区は川合村が大野町に編入されてから三ヶ月後に実際に神戸町に編入され、新たな歴史の一歩を踏み出しました。

この流れで、「川合村と神戸町を結ぶ揖斐川の橋を建設する」という計画が立てられ、この橋は編入から30年後に神戸大橋として実現しました。これにより、地域の交通利便性も向上し、歴史的なつながりが深まりました。

川合村の歴史は、地域住民の強い意志や合意から成り立っていることがわかります。

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