神戸町

概要

神戸町（ごうどちょう）は、岐阜県南西部の安八郡に属する町で、濃尾平野の北西端に位置しています。肥沃な土地と豊かな水源に恵まれ、古くから農業が盛んです。特に、バラやアルストロメリアなどの花卉栽培、小松菜などの野菜生産が知られています。町の中心部には、かつて中山道がかすめており、歴史的な面影も残しています。

地理

神戸町は、揖斐川の右岸（一部西座倉地域は左岸）に位置し、平野井川、東平野井川、菅野川などの河川が流れています。周囲には山がないため平坦な地形が広がりますが、隣接する市町村には山地があるため、遠景には山々が連なり、自然豊かな景観を形成しています。

隣接自治体

神戸町は、大垣市、瑞穂市、揖斐郡池田町、揖斐郡大野町と隣接しています。特に大垣市との関係は深く、大垣市の市域の多くがかつて安八郡に属していたという歴史的背景から、安八郡内で唯一大垣市の北側に位置する自治体となっています。

地名

町内には、神戸、川西、北一色、更屋敷、末守、付寄、前田などの地名があり、旧村名としては、北平野村、下宮村、南平野村があります。また、西座倉は、かつて揖斐郡大野町に属していました。

歴史

神戸町は、比叡山延暦寺の荘園「平野庄」として発展し、中心部には最澄が建立した寺を起源とする日吉神社の門前町として栄えました。明治時代初頭まで市が立ち、賑わいを見せていました。また、関ヶ原の戦い前には、徳川家康が当地を通ったという逸話も残っています。

沿革

1889年（明治22年）7月1日：神戸村、川西村、下宮村、新屋敷村が合併し、神戸村が発足。
1892年（明治25年）8月6日：町制を施行し、神戸町となる。
1897年（明治30年）7月1日：末守村、北一色村、更屋敷村と新設合併。一部（下宮・新屋敷）が分離し、下宮村の一部となる。
1950年（昭和25年）4月1日：北平野村と合併（白鳥のみ現池田町へ）。
1954年（昭和29年）4月1日：下宮村、南平野村と新設合併（南平野村青木・草道島は赤坂町、現大垣市へ）。
1960年（昭和35年）4月1日：大野町（旧揖斐郡川合村）西座倉を編入。
2004年（平成16年）：住民投票により大垣市との合併協議から離脱。

関ヶ原の戦いとの関わり

関ヶ原の戦い直前には、徳川家康が揖斐川を渡り当地に入ろうとした際、石田三成方に銃撃されたという噂があります。また、家康が柿を手に取り、「大柿我が手に討つ」と大垣にいた三成を指して言った逸話も残っています。

行政

現在の町長は藤井弘之氏（2022年7月4日～）です。過去には、河出義一氏、高崎善慶氏、渡辺昭一氏、吉田弘義氏、谷村成基氏が町長を務めました。2005年まで、社会福祉協議会は町が直接運営していました。

姉妹都市・友好都市

災害時相互応援協定を締結している自治体として、養老町、垂井町、関ケ原町、輪之内町、安八町があります。

公共施設

町内には、大垣警察署神戸交番、神戸町役場、神戸町中央公民館、神戸町民体育館、下宮地区公民館、ごうど中央スポーツ公園、西座倉スポーツ公園、下宮テニスコート、神戸町立図書館、日比野五鳳記念美術館、保健センター、ふれあいセンターなどがあります。

教育

町内には、神戸町立神戸中学校、下宮小学校、神戸小学校、南平野小学校、北小学校があります。池田高校の校庭の一部が町内にかかっているほか、岐阜経済大学のグランドも町内に存在します。

交通

鉄道

養老鉄道養老線が町を縦断しており、東赤坂駅、広神戸駅、北神戸駅があります。広神戸駅が町のほぼ中心に位置しています。

バス

名阪近鉄バスとみずほバスが運行しています。

道路

東海環状自動車道（事業中）の大野神戸IC（料金所は大野町）が利用可能です。また、岐阜県道53号岐阜関ヶ原線、岐阜県道92号岐阜巣南大野線などの県道が整備されています。

文化

本町通りの商店街は、昔から道幅が広く、カラー舗装がなされています。広神戸駅の名称も、この道幅に由来するという説があります。また、夜叉ヶ池伝説の里としても知られ、毎年8月17日には龍神祭が行われます。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

名所・旧跡

日吉神社：重要文化財の三重の塔や狛犬があります。
善学院：日吉神社の別当寺です。
瑠璃光寺：県指定文化財「紙本墨書白隠慧鶴書跡」があります。
ばら公園いこいの広場：約300品種3,300株のバラが植えられています。

祭事・催事

日吉山王祭：5月3日・4日に行われる日吉神社の祭礼で、松明と走るみこしが有名です。
GO!ご～どんとこい祭り：10月第2土・日曜日。
ごうど朝市さくらまつり：4月第一土曜日。

著名な出身者

日比野五鳳：書道家、神戸町名誉町民。
水野瑞夫：薬学者、岐阜薬科大学学長。
西脇充子：女子プロレスラー。
若山慎司：衆議院議員。
高橋杏村：画家
杉山三郊：外務省官僚、書家、漢学者


神戸町は、歴史と文化、豊かな自然が調和した魅力的な町です。訪れる人々に、安らぎと感動を与えてくれるでしょう。

もう一度検索