川合田温泉

川合田温泉：歴史と自然に抱かれた隠れ宿

静かな山あいに佇む川合田温泉は、富山県南砺市に位置する、知る人ぞ知る温泉地です。一軒宿の「川合田温泉山田家」だけが温泉街を形成しており、喧騒を離れた静寂の中で、心安らぐひとときを過ごせます。

1847年の地震が誕生のきっかけ

川合田温泉の開湯は1847年（弘化4年）3月24日。その起源は、2月24日に発生した善光寺地震に遡ります。地震により地表に亀裂が生じ、そこから温泉が湧出したのです。その後、一時利用が途絶えた時期もありましたが、1884年に再び整備され、人々に癒やしをもたらすようになりました。1961年には、初代山田利右衛門氏によって料理旅館が建てられ、現在の姿へと発展しました。本館は1987年に新築され、旧館は昭和初期に砺波市で建てられた建物を移築したもので、歴史を感じさせる重厚な造りとなっています。2020年1月1日に発生した能登半島地震では、一時的に硫黄の臭いが強くなったものの、現在は落ち着いています。

温泉の泉質と特徴

川合田温泉の泉質はナトリウム-塩化物泉。源泉温度は16℃と低めですが、浴場では適温に調整されています。pH値は7.59で、肌への負担が少ないのが特徴です。溶存物質は3,161mg/kgと豊富に含まれており、体の芯から温まる、温浴効果の高い温泉となっています。湧出量は測定不能ですが、安定して温泉が湧き出ています。

旅館「川合田温泉山田家」の魅力

「川合田温泉山田家」は客室8室の小さな旅館ですが、温かみのあるおもてなしが魅力です。7畳半の部屋から15畳の広々とした和室、そして36畳の大広間など、様々なタイプの客室を用意しています。

温泉は男女別の内湯の他に、別館にあるサウナが自慢です。フィンランド製の高性能ストーブ「メトス」を備え、本格的なサウナ体験が可能です。水風呂には、霊泉と伝えられる桑山不動尊の湧水が使用されており、サウナと水風呂の組み合わせで、より深いリフレッシュが期待できます。さらに、3人用の洗い場とお風呂も完備しています。

料理は、地元産の川魚と山菜を使った料理が評判です。豊かな自然に囲まれた川合田温泉ならではの、新鮮で滋味深い料理を堪能できます。南砺市はもちろん、小矢部市や金沢市からも多くの客が訪れる人気の旅館です。

アクセス方法

川合田温泉へのアクセスは、公共交通機関を利用する必要があります。JR城端線福光駅から、または金沢駅・森本駅から西日本JRバス名金線で川合田温泉バス停下車となります。ただし、バスの本数は1日4往復と少ないため、事前に時刻表を確認する必要があります。2022年4月からの路線変更により、減便、区間廃止が行われた点にも注意が必要です。

もう一つのアクセス方法として、福光駅から南砺市営バス「なんバス」土山線を利用する方法もあります。こちらは1日5.5往復ですが、土日祝日は運休となるため注意が必要です。いずれの場合も、公共交通機関の利用計画をしっかり立ててから訪れることをお勧めします。

まとめ

川合田温泉は、歴史と自然に包まれた隠れ家のような温泉地です。静寂の中でゆっくりと温泉に浸かり、美味しい料理を味わい、日頃の疲れを癒したい方におすすめです。ただし、アクセス面では公共交通機関の利用が必須であり、本数も少ないため、計画的な旅程が必要です。事前に情報を集め、快適な旅を計画しましょう。

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