川名大

川名大（かわな はじめ）は、1939年3月31日に生まれた日本の俳句研究者です。千葉県（現在の南房総市）で生まれ、千葉県立安房高等学校を経て、早稲田大学第一文学部を卒業しました。その後、慶應義塾大学と東京大学の両大学院修士課程に進み、近代俳句を専門的に研究しました。

大学院では、三好行雄や高柳重信といった著名な研究者から指導を受けました。卒業後は、東京都立三田高等学校教諭、聖光学院中学校・高等学校（横浜市）教諭、東京都公文書館史料編纂係など、教育や研究の現場で活躍しました。

川名大の研究は、近代俳句の軌跡を俳句表現史の視点から捉え、その構造を明らかにするものです。特に、昭和期の俳句がどのように展開し、現代俳句に繋がっているかを詳細に分析しています。彼の研究は、俳句を単なる短詩型文学としてではなく、時代や社会の変遷を反映する文化現象として捉える視点を提供しています。

2022年には、長年の俳句研究の業績が認められ、第22回現代俳句大賞を受賞しました。これは、彼の研究が現代俳句界に与えた影響の大きさを物語るものです。

著書には、『昭和俳句の展開』（1979年）、『新興俳句表現史論攷』（1984年）、『昭和俳句新詩精神の水脈』（1995年）、『現代俳句』（2001年）、『モダン都市と現代俳句』（2002年）、『俳句は文学でありたい』（2005年）、『挑発する俳句癒す俳句』（2010年）、『俳句に新風が吹くとき 芥川龍之介から寺山修司へ』（2014年）、『昭和俳句の検証 俳壇史から俳句表現史へ』（2015年）などがあります。これらの著書は、俳句研究における重要な参考文献として、広く読まれています。

また、共編著として、『新・俳句への招待』（1978年）、『俳句の本 光と風と水と』（2000年）、『飯田龍太句集』（2002年）、『現代一〇〇名句集』（2004-05年）などがあります。これらの著書は、俳句の入門書から研究書まで、幅広い読者層に向けて書かれており、俳句への理解を深めるための重要な資料となっています。

川名大の研究は、俳句表現史における重要な貢献であり、彼の業績は、今後の俳句研究においても重要な基盤となるでしょう。彼の研究を通じて、俳句という文学形式が持つ多様な可能性と、その歴史的な変遷を深く理解することができます。

彼の研究は、俳句を単なる短詩型文学としてではなく、時代や社会の変遷を反映する文化現象として捉える視点を提供しています。それは、俳句が持つ可能性を広げ、新たな解釈を生み出す原動力となるでしょう。

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