川島慶子

川島慶子：ジェンダー視点から科学史を紐解く科学史家

川島慶子（1959年 - ）は、18世紀フランスの科学史を専門とする日本の科学史家であり、名古屋工業大学の教授を務めています。彼女の研究は、科学史におけるジェンダーの視点を重視し、これまで見過ごされてきた女性科学者たちの業績や苦悩に光を当てることで、新たな科学史の地平を切り開いています。兵庫県神戸市出身。

学歴と研究への道

京都大学理学部地球物理学科を卒業後、東京大学大学院理学系研究科科学史科学基礎論修士課程を修了。その後、パリの社会科学高等研究院に留学し、科学史研究者としての基礎を築きました。

ジェンダー視点を取り入れた科学史研究

川島慶子の研究の特徴は、科学史研究にジェンダーの視点を導入したことです。彼女は、女性科学者たちが社会的な制約や偏見と闘いながら、いかに科学の発展に貢献してきたのかを明らかにしようとしています。彼女の著書や論文は、科学史研究におけるジェンダー分析の重要性を示すものとして、高く評価されています。

受賞歴

川島慶子の業績は、数々の賞によっても認められています。

2006年 女性史青山なを賞 - 『エミリー・デュ・シャトレとマリー・ラヴワジエ - 18世紀フランスのジェンダーと科学』
2010年 山崎賞 - 『マリー・キュリーの挑戦』を含む一連の業績

これらの受賞は、彼女の研究が学術的に高く評価されていることの証左と言えるでしょう。

マリー・キュリー研究

『マリー・キュリーの挑戦』では、従来のキュリー夫人のイメージを覆し、彼女の人間的な側面や科学者としての苦悩を描き出しました。特に、キュリーが研究対象である放射線の危険性を否定したことや、科学アカデミーから拒絶されたことなど、これまで語られてこなかった負の側面にも光を当てています。

川島は、科学史において、女性研究者がその恋愛遍歴や男性科学者への貢献のみで語られることが多い現状を批判し、歴史の主役は男女平等であるべきだと主張しています。彼女は、ゴシップの対象でも聖女でもない、等身大の女性科学者たちの姿を描き出すことを目指しているのです。

国際的な活動

川島慶子は、国際的な研究活動にも積極的に参加しており、2013年には『エミリー・デュ・シャトレと〜』のフランス語訳が出版され、国際的にも高い評価を受けています。

主な論文

「マリー・キュリーにとっての戦争、革命」（「女性研究者の特性とリーダーシップ」研究報告）

今後の研究への期待

川島慶子の研究は、科学史研究に新たな視点をもたらし、ジェンダー平等社会の実現にも貢献する可能性を秘めています。今後の研究の発展が期待されます。

外部リンク

Keiko Kawashima's Homepage
論文一覧（KAKEN、CiNii、IRDB）
川島慶子 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
川島慶子 - J-GLOBAL
川島慶子 - researchmap
* 日本の研究.com:247809

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