川本浩次

川本 浩次

京都府に生まれた川本浩次は、1951年9月26日生まれの元プロ野球選手です。主に外野手として活躍しましたが、高校時代は控え投手としてもチームを支えました。その野球人生は、まず故郷京都の名門・平安高校で華々しい軌跡を描きました。

高校野球での軌跡

平安高校では、2年生の春からレギュラーとして右翼手のポジションにつき、春夏連続で甲子園の土を踏みました。1968年春の選抜高等学校野球大会では、1学年上の池田信夫投手、石山一秀捕手のバッテリーを擁するチームの一員として出場。準々決勝まで勝ち進みますが、大宮工業高校のエース吉沢敏雄投手の前に打線が沈黙し、惜しくも敗退しました。同年夏の全国高等学校野球選手権大会でも甲子園に戻ってきましたが、1回戦で再び大宮工業高校と対戦するという因縁の相手に、9回表に逆転を許し無念の初戦敗退となりました。

3年生に進級すると、川本選手は三番打者としてチームの中心を担い、守備位置も中堅手に移ります。1969年春の選抜大会では、2回戦（初戦）で同大会を制することになる三重高校と対戦。相手エースの上西博昭投手の前に打線が振るわず敗退しましたが、この大会で彼は、京都の高校として初めてとなる選手宣誓の大役を務め、その名を知らしめました。同年夏の京滋大会決勝では、比叡山高校のエース間柴茂有（のちロッテ）の力投に苦戦しながらも、延長11回までもつれ込む熱戦を制し、夏の選手権出場権を獲得しました。しかし、本大会の準々決勝では、太田幸司投手、八重沢憲一捕手らを擁する青森県の三沢高校に敗れ、甲子園での戦いを終えました。高校時代のチームメイトには、エースとしてチームを支えた家村孝次投手（のち法政大学）、四番打者で一塁手の渋谷通（のち日本大学）らがおり、彼らと共に平安高校の黄金期を築きました。

プロ入りとそれぞれの時代

高校球界屈指の強肩俊足の外野手としてプロからの注目を集めた川本選手は、1969年秋のドラフト会議で指名こそありませんでしたが、ドラフト外で阪神タイガースへの入団が決まりました。

鳴り物入りでのプロ入りでしたが、分厚い選手層の壁に阻まれ、阪神では一軍での出場機会を得ることはできませんでした。プロ2年目のシーズンを終えた1970年11月、プロ野球史上初めて開催された「選抜会議」、いわゆるトレード会議の対象選手となり、新たな環境を求めて近鉄バファローズへ移籍することになります。

近鉄に移籍してからも、トップチーム定着は容易ではありませんでした。しかし、移籍4年目の1974年シーズン最終戦でついに念願の一軍初出場を果たします。この試合で、日本ハムファイターズの先発投手であった高橋直樹からプロ入り初安打を放つという、記念すべき一打をマークしました。しかし、この貴重な経験を活かす機会は残念ながら少なく、翌1975年シーズン限りで現役を引退することを決意しました。

背番号の変遷

プロ野球生活の中で背負った番号は以下の通りです。

阪神タイガース時代：43（1970年）
近鉄バファローズ時代：58（1971年 - 1974年）、36（1975年）

短いプロ野球人生ではありましたが、高校時代には甲子園の舞台で輝き、プロの世界でも一軍出場と安打を記録するなど、そのキャリアを全うしました。

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