川村宗五郎

川村宗五郎

川村宗五郎（かわむら そうごろう）は、1858年6月25日（安政5年5月15日）に生まれ、1916年（大正5年）3月18日に没した、大日本帝国陸軍の軍人です。最終階級は陸軍中将で、功三級を授与されています。旧姓は大津。

生い立ちと初期の軍歴

川村宗五郎は、薩摩国（現在の鹿児島県）で薩摩藩士大津六郎左衛門の四男として誕生しました。1881年（明治14年）に川村善左衛門の養子となり、1888年（明治21年）に家督を相続しました。

1879年（明治12年）12月、陸軍士官学校（旧3期）を卒業し、陸軍歩兵少尉に任官されました。その後、1890年（明治23年）にはドイツ帝国へ留学し、軍事に関する知識と見識を深めました。

日清・日露戦争での活躍

1894年（明治27年）に勃発した日清戦争では、第2軍兵站監部副官として出征し、兵站業務を支えました。1901年（明治34年）4月には歩兵第37連隊長に就任し、1902年（明治35年）11月には歩兵大佐に昇進しています。

1904年（明治37年）からの日露戦争では、南山の戦い、得利寺の戦い、遼陽会戦といった激戦に参戦しました。特に奉天会戦では、彼が率いる歩兵第37連隊第2大隊が奉天城一番乗りを果たすという大きな戦功を立てました。

陸軍将官としてのキャリアと晩年

1906年（明治39年）7月、川村宗五郎は陸軍少将に進み、歩兵第16旅団長に就任しました。その後、歩兵第9旅団長を経て、1912年（大正元年）12月には陸軍中将に昇進し、第9師団長に親補されました。しかし、その在任中に病に倒れ、1916年（大正5年）3月18日にこの世を去りました。

川村宗五郎は、日清・日露戦争という二つの大きな戦争で武功を挙げ、陸軍将官としても重要な役職を歴任した人物として、その名は歴史に刻まれています。



参考文献

人事興信所編『人事興信録 初版』1903年
人事興信所編『人事興信録 第4版』1915年
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年
* 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典 第2版』東京大学出版会、2005年

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