川添万寿得

川添万寿得の生涯

川添万寿得（かわぞえ ますえ、1870年10月20日 - 1938年7月11日）は、日本基督教会の牧師として知られ、教育や翻訳活動に貢献した重要な人物です。彼の生涯は、信仰と教育を通じて日本のキリスト教界に大きな影響をもたらしました。

幼少期と教育の始まり

万寿得は1870年、土佐藩士である橋本家の次男として高知県の江ノ口村に生まれました。その後、家族の事情により叔母の川添家に養子として迎え入れられます。1888年に高知教会で洗礼を受け、キリスト教徒としての道を歩み始めます。彼の信仰は、後の伝道者としての人生に大きな影響を与えることになります。

上京と学び

1892年、万寿得は片岡健吉と共に上京し、明治学院神学部に入学します。明治学院での学びは彼の神学的な知識を深め、後の牧師としての活動に備える重要な時期でした。卒業後には長野県佐久郡に伝道に出かけ、1897年に正式に牧師として按手礼を受けます。

アメリカ留学と帰国

彼の人生の重要な転機の一つが、1902年に渡米しオーバン神学校で学んだことです。アメリカでの留学中、彼は様々な経験をし、帰国後の活動に活かす知識と視野を広げました。帰国後、1905年には東京三田四国町で「みくに伝道会」を設立し、伝道活動を展開しました。

編集活動と講師としての活動

彼は植村正久に師事し、『福音新報』の編集に関わるなど、キリスト教の普及に努めました。1906年以降は長崎と大阪の教会を牧会し、同時に東山学院や大阪伝道同志館の講師としても活動しました。

聖書改訳への貢献

1910年、万寿得はギリシャ語に堪能だったため、聖書改訳委員会に就任します。彼の貢献により、1917年には大正改訳聖書が完成します。この業績は彼の名声を高め、彼の教会教育への影響力をさらに強めました。

教職者としての活躍

1917年からは青山教会に赴任し、青山学院や明治学院神学部、東京神学社で講師を務めます。また、1929年には明治学院神学部の部長に、次の年からは日本神学校の初代校長に就任します。教育者としての彼の役割は、次世代の信徒や牧師の育成に大きく寄与しました。

終末と名誉牧師

1935年、万寿得は日本基督教会大会議長に選出され、巡回旅行を通じて教会の発展に努めましたが、1936年からは病気に苦しむことになります。彼は青山教会を1938年に辞任し、名誉牧師となりましたが、同年の7月に亡くなりました。彼の業績は、今もなお多くの人々に記憶されています。

著作

万寿得は多くの著作を残しており、代表作には『故千屋牧師の記念』、『枡富安左衛門追想録』、および『川添万寿得遺稿選集』があります。これらの作品は、彼の信仰や教育に対する情熱、そして彼の牧会経験が色濃く反映されたものです。

結論

川添万寿得は、日本のキリスト教界において重要な役割を果たした牧師であり、その影響は今日でも続いています。彼の信仰に対する献身と教育への熱意は、多くの人々に希望と学びを提供し、彼の名は永遠に語り継がれるでしょう。

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