川満直樹

川満 直樹

川満 直樹（かわみつ なおき）氏は、1970年に生まれた日本の経営学者であり歴史学者です。経済史、経営史、そして商品史を専門分野としており、現在は同志社大学商学部で教鞭を執っています。

経歴

沖縄県で育った川満氏は、1994年に沖縄国際大学文学部英文学科を卒業し、学問の道を歩み始めました。その後、大阪学院大学大学院国際学研究科に進み、1997年に国際学専攻の修士課程を修了し、修士（国際学）の学位を取得しました。さらに研究を続け、2000年には同大学院の博士課程において単位取得退学しています。博士号（国際学）は、後に2015年に改めて取得しています。

研究者としてのキャリアは、2001年に阪南大学経済学部の専任講師として始まりました。翌年の2002年には同大学の助教授に昇任し、教育・研究活動に従事します。2007年からは同志社大学商学部に移り、専任講師として新たな環境での活動を開始しました。同志社大学では、2013年に准教授、そして2020年には教授へと昇任し、今日に至るまで多くの学生の指導にあたるとともに、専門分野での研究を深めています。

研究分野

川満氏の専門は、経済史、経営史、および商品史という、歴史的視点から経済や企業、さらには具体的な「モノ」の歴史と社会との関わりを探求する分野です。経済史は過去の経済現象や構造の変遷を、経営史は企業の成立・発展・戦略などを歴史的に分析します。そして商品史は、特定の商品がどのように生まれ、流通し、社会に受け入れられてきたか、その歴史的背景や文化的意味合いを考察する分野です。これらの専門知識を駆使し、特に商品が社会の中で果たしてきた役割や、発展途上国における企業の形成と成長メカニズム、特にファミリービジネスの特性などに焦点を当てた研究を行っています。

主な業績

川満氏は、その研究成果を複数の書籍として発表しています。主な著書には、2017年にミネルヴァ書房から出版された単著『パキスタン財閥のファミリービジネス : 後発国における工業化の発展動力』があります。この著作では、発展途上国における企業、特にファミリービジネスが工業化の過程で果たした役割について、パキスタンの事例を中心に詳細な分析を行っています。

また、商品史に関する研究成果は、共著や編著としても形になっています。2004年には、石川健次郎氏らとの共著として『ランドマーク商品の研究 : 商品史からのメッセージ』（同文舘出版）に名を連ねています。さらに、2015年には編著として『商品と社会 : ランドマーク商品の研究』（同文舘出版）を刊行しており、商品史の視点から社会の変遷を読み解く研究の成果を広く共有しています。

これらの著作は、川満氏が経済史、経営史、商品史という多角的な視点から、複雑な経済・社会現象や企業の歴史、そして身近な商品の背後にある歴史と構造を解明しようとする研究姿勢を示しています。大学教授として教育と研究に励みながら、その知見を著作を通じて社会に発信し続けています。

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