川畑和人

川畑 和人（かわばた かずと）

1948年4月12日生まれ、鹿児島県薩摩川内市出身の元プロ野球選手（投手）。現役引退後は指導者、さらには政治家として兵庫県西宮市議会議員を4期務めるなど、多岐にわたるキャリアを歩んだ人物。プロレスラーの雷陣明氏は実子にあたる。

経歴

アマチュア時代

鹿児島実業高校では野球部でエースとして活躍し、四番打者も兼ねるチームの中心選手だった。1966年春季九州大会では決勝に進出するも、大分商業高校の河原明投手に投げ負け惜敗。同年夏の甲子園にも出場したが、1回戦で三重高校の水谷孝投手に抑えられ、チームは敗退した。

プロ野球選手として

高校卒業後、1966年に行われた第一次ドラフト会議で東京オリオンズから2位指名を受けプロ入り。将来を嘱望される本格派の右腕投手としてキャリアをスタートさせた。入団3年目の1969年には、主にリリーフとして登板機会を得て3勝をマーク。二軍のイースタン・リーグでは最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、頭角を現し始めた。

1970年シーズン途中、江藤愼一選手との交換トレードという大型移籍で中日ドラゴンズへ加入。移籍後はシーズン終盤に先発ローテーションの一角に食い込み、プロ入り初の完投勝利も記録するなど存在感を示した。

投球時に無駄な力が入る癖を修正するため、1971年の秋季キャンプでは、名コーチとして知られる近藤貞雄氏の発案によりサイドスローへのフォーム改造を試みた。しかし、本人がしっくりこないと感じたことから、翌1972年には再びオーバースローに戻している。だが、この期間の練習経験が奏功し、打者の手元で小さく変化する球を習得。単調な棒球を投げる傾向が修正され、投球術の幅が広がる効果を生んだ。主な武器はストレートに加え、カーブ、スライダー、シュート、フォークと多彩な変化球を操った。

1972年のシーズンオフ、井上弘昭選手とのトレードで広島東洋カープへ移籍。ここでも二軍のウエスタン・リーグでは1976年に再び防御率1位を記録するなど安定した成績を残したが、一軍での登板機会にはあまり恵まれなかった。

1976年オフには、正垣宏倫、永本裕章両選手とのトレードによって阪急ブレーブスへ移籍。新天地での1977年には、実に6年ぶりとなる一軍での勝利を記録する奮闘を見せたものの、翌1978年限りで現役生活にピリオドを打った。

引退後の活動

プロ野球引退後は、1979年に古巣である阪急ブレーブスでコーチを務め、後進の指導にあたった。その後も打撃投手やスコアラーとして球団に残り、チームを陰から支えた。

野球界を離れた後は、政界に転身。参議院議員秘書として政治の世界で経験を積んだ。

1995年、兵庫県西宮市議会議員選挙に立候補し、初当選を果たす。以降、1999年、2003年、2007年と連続して当選を重ね、通算で4期16年にわたり西宮市政の発展に貢献した。

人物・エピソード

プロ野球選手としての記録では、1970年に東京オリオンズと中日ドラゴンズという、同一シーズン中に在籍した2球団でそれぞれ勝利投手となった点が特筆される。これは史上4人目という珍しい記録である。

また、かつて人気を博した野球漫画『巨人の星』において、主人公のライバルとして登場する伴宙太の背番号が「8」として描かれているが、これは当時実際に川畑氏が着用していた番号であった。漫画の企画当初、江藤愼一氏が一時的に現役を離れる予定で「8」が空き番扱いとなっていた名残であるとされる。

実子である雷陣明氏はプロレスラーとして活躍しており、親子二代にわたるプロスポーツ選手として知られている。

詳細情報

年度別投手成績

東京オリオンズは1969年よりロッテオリオンズに球団名を変更。

記録

同一年に2球団で勝利：1970年（史上4人目）

背番号

48 （1967年 - 1969年）
19 （1970年 - 同年途中 東京）
8 （1970年途中 - 同年終了 中日）
11 （1971年）
29 （1972年）
15 （1973年 - 1976年）
56 （1977年 阪急）
36 （1978年 阪急）
85 （1979年 - 1986年 コーチ）

関連項目

鹿児島県出身の人物一覧
千葉ロッテマリーンズの選手一覧
中日ドラゴンズの選手一覧
広島東洋カープの選手一覧
オリックス・バファローズの選手一覧

外部リンク

個人年度別成績 川畑和人 - NPB.jp 日本野球機構

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