川野辺静

川野辺静（かわのべ しづ）は、1907年（明治40年）9月24日に生まれ、2003年（平成15年）4月25日に95歳で生涯を閉じた日本の政治家であり、小児科医でもありました。彼女は、その多岐にわたる活動を通じて社会に貢献した人物です。

生い立ちと医学の道

静岡県静岡市で生まれた川野辺静は、不二高等女学校を経て、1930年に東京女子医学専門学校（現在の東京女子医科大学）を卒業しました。卒業後は同附属病院の小児科医局長を務め、医療の現場で経験を積みました。その後、故郷の静岡市に戻り、小児科医院を開業し、地域医療に貢献しました。

政治家としての活動

医師としての活動に加えて、川野辺静は政治の世界にも足を踏み入れました。静岡市議会議員を務めた後、1971年の第9回参議院議員通常選挙に自由民主党公認で静岡地方区から立候補し、見事当選を果たしました。参議院議員としては、三木内閣で厚生政務次官を務め、医療や福祉政策に携わりました。しかし、1977年の第11回参議院議員通常選挙では落選し、政界を引退しました。

その他の活動と晩年

政界を引退した後も、川野辺静は東京女子医科大学の教授、常務理事、相談役などを歴任し、教育や医療分野での活動を続けました。また、1977年秋には勲三等宝冠章を受章し、その功績が称えられました。

彼女は、2003年4月25日に老衰のため静岡市の病院で亡くなりました。その死没日をもって正五位に叙されています。彼女の生涯は、医療、政治、教育の分野で多大な貢献をなし、多くの人々に影響を与えました。

著書

川野辺静は、自身の経験や考えをまとめた著書も多数発表しています。以下はその一部です。

『ダブリンの水鳥:私のヨーロッパ旅日記』（1956年）
『私のみたアメリカのくらし』（1964年）
『あの頃この頃』（1965年）
『私のひとりごと』（1968年）
『ひまわり:川野辺静選集』（1975年）
『愛:川野辺静自伝』（1983年）

これらの著作は、彼女の多才な一面と、社会に対する深い関心を示すものです。

まとめ

川野辺静は、小児科医として人々の健康を守り、政治家として社会の発展に尽力し、教育者として次世代を育成した、多才な人物でした。彼女の生涯は、医療、政治、教育の各分野で活躍した女性の模範として、後世に語り継がれるべきでしょう。

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