川野重任

川野 重任（かわの しげとう）について

川野重任は、1911年7月22日に生まれ、2010年7月22日に99歳で逝去した、日本の著名な農業経済学者です。彼は、京都大学から農学博士号を取得し、名誉教授として東京大学に貢献しました。学位論文は「土地改革の理論的性格」で、農業経済の研究において非常に重要な仕事をしました。

学歴と職歴

川野は鹿児島県南さつま市に生まれ、地元の学校で初等教育を受けた後、旧制の川辺中学校を経て、第七高等学校造士館で理科を学び、1932年に卒業しました。その後、東京帝国大学の農学部に進学し、1936年に卒業しました。卒業後は副手を経て、1939年には助手となり、1942年には東京大学東洋文化研究所の助教授に就任しました。1951年には教授に昇進し、1962年には「土地改革の理論的性格」で農学博士の学位を取得しました。

1966年には研究所の所長に就任し、1970年にその職を退任後も、1972年に東京大学を定年退官し名誉教授としての地位を持ち続けました。また、東海大学政経学部の教授も勤め、1984年に退職しました。

業績と貢献

川野重任は、アジアを含む日本の農業発展に関する基本的なプロセスを広範囲に分析しました。彼の研究は、農業政策の形成において重要な影響を持ちました。特に、日本における農業政策についての研究は、政府の政策決定にも大きな影響を与えました。

また、留学生問題にも取り組み、制度の改善に力を注ぎました。彼は、米価審議会や農政審議会の会長を務め、財団法人日本国際教育協会の理事長も歴任しています。その功績により、1993年には文化功労者として表彰されました。

著書と翻訳

川野はまた多くの著書を執筆しており、代表的なものには『台湾米穀経済論』（1941年）、『音容去来』（1996年）、『国と郷を思う 「戦後五十年」を超えて』（1997年）、『歳々年々想いあり』（1999年）などがあります。さらに、彼は様々な共編著や翻訳作業も手がけており、学問の普及にも寄与しました。特に、T.W.シュルツの著作の監訳や翻訳に関わることで、農業経済学の知見を広める役割を果たしました。

最後の歳月

川野重任は、2010年に老衰により逝去しましたが、その学問への貢献と人々への影響は今もなお、多くの人に評価されています。長い人生の中で、農業経済学の発展に寄与し、多くの学生に影響を与えた彼の功績は、後世に引き継がれることでしょう。彼の業績は、農業という分野だけでなく、社会全体にも広がる大きな影響力を持っています。

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