州 (東ドイツ)

ドイツ民主共和国（東ドイツ）の州（1945年～1952年）

第二次世界大戦後、ドイツは連合国の軍政下に置かれました。ドイツ東部を占領したソビエト連邦は、1945年7月に各地区に独自の地方政府を設置し、これが後の東ドイツの州となりました。しかし、東ドイツを実質的に支配していたドイツ社会主義統一党は中央集権的な国家を目指し、1952年に州を解体、14の県に再編しました。

州の成立と解体

1945年7月9日、ソ連軍政府はテューリンゲン州、メクレンブルク州、ザクセン州、ザクセン県、ブランデンブルク県に地方政府を設置しました。その後、ザクセン県とブランデンブルク県はそれぞれザクセン＝アンハルト州、ブランデンブルク州へと昇格しました。東ベルリンはどの州にも属さない独立した地域とされました。

各州では地方政府の発足に合わせて「諮問会議」が設けられましたが、選挙制度はドイツ社会主義統一党に有利になるように操作され、同党の指導的地位が保証される形となりました。

1946年12月から1947年2月にかけて、各州は独自の憲法を制定しました。メクレンブルク＝フォアポンメルン州では、ポーランドとの国境問題に配慮し、1947年に州名がメクレンブルク州に戻されました。

連邦制の形骸化と中央集権化

1949年に東ドイツは連邦制国家として成立しましたが、各州の自治権は大幅に制限され、権限は中央政府に集中しました。各州から選出された代表者による共和国参議院も存在しましたが、人民議会の決定を覆すことはできませんでした。

1952年7月23日、「国家機構の民主化に関する法律」により州は廃止され、14の県に再編されました。その後、共和国参議院も廃止され、連邦制は完全に排除され、「民主集中制」による中央集権国家となりました。

新連邦州の設置とドイツ再統一

1990年3月、東ドイツ初の自由選挙でドイツ再統一を主張する「ドイツ連合」が勝利すると、同年7月22日に「州再設置法」が成立。これにより、14県を統合・再編し、旧5州を新連邦州として復活させることが決定しました。この際、メクレンブルク＝フォアポンメルン州が復活し、境界再調整も行われました。

人民議会は8月23日、新連邦州が西ドイツ基本法に基づき、10月3日にドイツ連邦共和国に加盟することを決議。これによりドイツ再統一が達成され、新連邦州は再統一されたドイツ連邦共和国を構成する連邦州となりました。

参考文献

Wolfgang E. Burhenne: Die Verfassungen und Landtags-Geschäftsordnungen der DDR-Länder bis 1952. Herausgegeben im Auftrag der Interparlamentarischen Arbeitsgemeinschaft, Bonn. Erich Schmidt Verlag, Bielefeld 1990, ISBN 3-503-02926-5.
Henning Mielke: Die Auflösung der Länder in der SBZ/DDR: Von der deutschen Selbstverwaltung zum sozialistisch-zentralistischen Einheitsstaat nach sowjetischem Modell 1945–1952 (= Beiträge zur Wirtschafts- und Sozialgeschichte; Bd. 66), 1995, ISBN 3-515-06669-1.

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