メクレンブルク州

メクレンブルク州：消滅したドイツの州の歴史

メクレンブルク州（ドイツ語：Land Mecklenburg）は、1934年から1952年にかけて存在したドイツの州です。その領域は、現在のメクレンブルク＝フォアポンメルン州とほぼ一致します。この州は、激動の時代を経て、その姿を変えていきました。

メクレンブルク州の成立

1934年、ナチス・ドイツにおいて、メクレンブルク＝シュヴェリーン自由州とメクレンブルク＝シュトレーリッツ自由州が統合され、メクレンブルク州が成立しました。これは、ナチ党による強制的同一化政策の一環でした。この州の領域は、ナチ党のメクレンブルク大管区とほぼ一致していました。

第二次世界大戦後の変遷

第二次世界大戦後、メクレンブルク州はソ連占領地域となりました。1945年、ソ連軍政府は、旧メクレンブルク州にプロイセン自由州のポンメルン県の一部とハノーファー県のノイハウス地区を加えて、メクレンブルク＝フォアポンメルン州を設置しました。しかし、1947年には、在独ソ連軍政府によってメクレンブルク州に改称されました。

戦間期の動き

1918年のドイツ革命で、メクレンブルク＝シュヴェリーン大公国とメクレンブルク＝シュトレーリッツ大公国の君主制が廃止されると、両国は自由州となり、それぞれ独自の州憲法と州議会を持つようになりました。しかし、両州とも財政面で問題を抱えており、1926年にはメクレンブルク＝シュトレーリッツ自由州政府がメクレンブルク＝シュヴェリーン自由州政府に統合を求めましたが、実現しませんでした。結局、両州が統一されたのは、ナチ党が権力を掌握し、強制的同一化を推し進めた後の1934年でした。

1937年、メクレンブルク州は大ハンブルク法の制定により、シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州にあった飛地をハンブルク都市圏に譲渡しました。その代償として、リューベックからウテヒトとシャッティンが編入されたほか、ポンメルンの飛地であったツェッテミンが譲渡されました。

第二次世界大戦終結後

第二次世界大戦が終結すると、メクレンブルク州はソ連占領地域となりました。ソ連軍政府は、旧プロイセン自由州ポンメルン県の一部とハノーファー県のノイハウス地区を統合してメクレンブルク＝フォアポンメルン州を設置しました。しかし、ポーランドとの国境線が確定する中で、領土の変更や住民の移動が余儀なくされました。

1945年11月13日のいわゆるバーバー＝リャシュチェンコ協定により、英ソ間で占領地域の境界が変更され、ラッツェブルク周辺の地域がイギリス占領地域に移管されました。一方、ラウエンブルク地区の一部がソ連占領地域に移されました。

ソ連軍政府は、大規模な土地改革を実施し、100ヘクタール以上を持つ大地主や戦争犯罪人、ナチ党員とみなされた地権者から所有地を収用しました。

1946年には、ソ連軍政府が占領地域の議会として暫定人民会議を設立し、メクレンブルク＝フォアポンメルン州でも選挙が行われました。しかし、ドイツ民主共和国成立後の1950年に行われた州議会選挙では、候補者名簿は当局によって「標準化」されていました。

オーデル・ナイセ線より東側の旧ドイツ領を話題にすることは、ソ連占領地域においてタブーと見なされるようになり、「ポンメルン」という地域名称は忌避されるようになりました。そのため、1947年にメクレンブルク州に改称されました。さらに1950年には、ブランデンブルク州との間で領土の交換が行われました。

1949年10月7日にドイツ民主共和国が建国されると、メクレンブルク州はその1州となりました。

メクレンブルク州の消滅

1952年7月25日、自治権を持つ州による連邦国家から中央集権的な単一国家への転換を図るため、州が県に分割され、州政府は解散されました。これにより、メクレンブルク州は消滅し、ノイブランデンブルク県、ロストック県、シュヴェリーン県の3つに分割されました。

メクレンブルク州の指導者たち

メクレンブルク州の州首相は以下の通りです。

1934年：ハンス・エゴン・エンゲル （ナチ党）
1934年–1945年： フリードリヒ・シャルフ （ナチ党）
1945年–1951年： ヴィルヘルム・ヘッカー （ドイツ社会民主党、後にドイツ社会主義統一党）
1951年： クルト・ビュルガー （ドイツ社会主義統一党）
* 1951年–1952年： ベルンハルト・クヴァント （ドイツ社会主義統一党）

また、国家代理官はフリードリヒ・ヒルデブラントが務めました（1934年–1945年）。

地方行政区分

メクレンブルク州は、時代によって地方行政区分が異なっていました。1933年-1945年には、独立市としてギュストロー、ノイブランデンブルク、ノイシュトレーリッツなどが存在し、郡としてギュストロー郡、ハーゲノー郡などが存在しました。1945年-1952年には、独立市としてグライフスヴァルト、ギュストローなどが存在し、郡としてアンクラム郡、デミン郡などが存在しました。

メクレンブルク州の歴史は、ドイツの激動の時代を反映しています。この州の変遷を理解することは、ドイツ現代史を理解する上で重要な意味を持つでしょう。

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