州浜

州浜（すはま）

州浜とは、きな粉などの大豆の粉に水飴を加えて練り合わせて作る和菓子の一種です。別名、豆飴（まめあめ）とも呼ばれます。原料となる大豆や青豆を煎って挽いた粉は、特に州浜粉（すはまこ）と呼ばれます。

概要

州浜の起源は鎌倉時代に京都にあった菓子店「松寿軒」にあるとされています。その後、京都の和菓子店「植村義次」が製造した豆飴の断面が、浜辺の入り組んだ様子を意匠化した「州浜紋」に似ていたことから、「州浜」という名前が付けられました。

「州浜」のデザインは、家紋のほか、饗宴や婚礼の飾り物を置く島台などにも用いられ、江戸時代には縁起の良い菓子として広く知られるようになりました。随筆『嬉遊笑覧』（1830年）には、州浜の原型について、麦芽と大豆の粉を練り、竹皮に包んだ「飴ちまき」であり、「豆飴」とも呼ばれていたと記されています。

餅菓子の一種である「すあま」とは異なりますが、江戸時代には、この州浜を「すあま」と呼ぶ例も見られました。また、地域によっては「すあま」が「すはま」と呼ばれることもあります（呼称の異同については「すあま」の項目を参照）。

現在では、州浜粉を使った菓子全体を「州浜」または「すはま」と呼ぶことが一般的になっています。

州浜の製法

州浜の基本的な材料は大豆粉（きな粉）、水飴、砂糖です。作り方は以下の通りです。

1. 大豆を炒って挽き、きな粉を作ります。
2. きな粉に水飴と砂糖を加えて混ぜ合わせます。
3. 混ぜ合わせたものを、均一になるまでよく練ります。
4. 型抜きをしたり、丸めたりして成形します。
5. 乾燥させて完成です。

地域や製造元によって、材料の配合や製法に違いがあり、さまざまな種類の州浜が存在します。

州浜のバリエーション

州浜は、そのまま食べるだけでなく、さまざまなアレンジが加えられた商品も存在します。

すはまだんご: 豆政（京都市）が製造・販売している州浜を使った団子。
吉祥豆: 甘春堂（京都市）の州浜商品。
真盛豆: 金谷正廣（滋賀県）の州浜粉を使った商品。

これらの商品は、州浜の風味を生かしつつ、新しい食感や味わいを楽しめるように工夫されています。

州浜の魅力

州浜は、素朴ながらも上品な味わいが特徴の和菓子です。きな粉の香ばしい風味と、水飴の優しい甘さが絶妙に調和しています。また、日持ちがするため、お土産としても人気があります。

近年では、伝統的な製法を守りつつ、新しい素材や製法を取り入れた州浜も登場しています。和菓子の世界は奥深く、伝統と革新が共存しています。ぜひ、いろいろな州浜を試して、その魅力を発見してみてください。

脚注

『嬉遊笑覧』には、州浜の原型が「飴ちまき」であったという記述がある。
地域によっては、「すあま」が「すはま」と呼ばれることがある。

関連項目

すあま
きな粉
和菓子

外部リンク

* 和菓子店の紹介ページなど'>州浜

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