水飴

水飴とは

水飴（みずあめ）は、デンプンを適切な酸や加水分解酵素によって糖化し、得られる粘液状の甘味料です。デンプンを完全に分解せず、部分的に糖化することで、グルコース、マルトース、デキストリンなどの成分を含む混合物が生成されます。特に、酵素糖化水飴や麦芽水飴の場合は、主成分としてマルトースが含まれています。

製造方法の変遷

伝統的な製法

かつて、水飴は発芽させた玄米のデンプンから得られる加水分解酵素を利用して製造されていました。その後、発芽玄米の代わりに、より効率的な糖化酵素の源として麦芽が用いられるようになりました。麦芽水飴は、原料由来のミネラルを含み、独特の風味と色合いを持っています。水飴の起源に関しては様々な説がありますが、酒造りから派生したとする説などがあります。どの説が正しいかは未解明です。

酸糖化水飴

デンプンにシュウ[[酸]]を加えて加水分解して作られる酸糖化水飴も存在します。この方法で製造される水飴は酸味があり、適切にシュウ[[酸]]を除去する必要があります。シュウ[[酸]]は尿路結石の原因になりかねないため、注意が必要です。酸糖化水飴は、無色透明で水分と糖質のみを含みます。

酵素糖化水飴

さらに、人工的に酵素を添加して製造する酵素糖化水飴も登場しました。この水飴はグルコース含量が高く、甘みが強い特性を持っています。原料には精製したデンプンが使用され、非常にシンプルな成分構成です。

食べ方と用途

水飴は、そのまま食べることができるほか、調理材料としても広く利用されています。1960年代まで人気を博した街頭紙芝居では、水飴が添えられ、子供たちが楽しんでいました。また、砂糖が日本に伝来する前は主要な甘味料として広く用いられ、現在でも和菓子に欠かせない材料です。

水飴は様々な使用法があり、糖度の高い食品に加えることで、滑らかな口当たりを長持ちさせる効果があります。また、和菓子の艶出しや、照り焼きの仕上げにも利用されます。食品添加物ではないものの、実質的に添加物の役割を果たすことがあります。

生薬の膠飴

水飴の一種として、もち米を主原料にした麦芽水飴を乾燥させた膠飴（こうい）があります。これは漢方方剤に配合され、健胃作用や滋養強壮作用が期待されています。膠飴は単独で用いられることは少ないですが、糖化に伴う成分の効果が注目されています。

還元水飴

また、還元水飴と呼ばれる甘味料も存在し、これは水飴を加工した糖アルコールが主成分です。水飴はその特性から、和菓子や様々な食品に利用されており、現代の食文化においても重要な役割を果たしています。

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