工党

台湾の工党

工党（こうとう）は1987年11月1日に台湾で設立された政治団体です。この政党は、当初民進党に所属していた王義雄が、労働運動の進展や台湾独立の理念が党内での主流から外れたことを受けて、民進党を脱退し新たに結成したものです。工党には多くの労働組合の専門家や知識人が参加しており、その活動の根底には労働者の権利と利益を守るという理念があります。

工党の党旗は、緑の背景に黄色の七つ星が描かれたデザインです。中央には大きな星があり、これは労働者を象徴しています。その周りを囲む6つの星は、農民、漁民、婦女、少数民族、中小企業、そして知識人を表しており、これら7つの集団の団結を示しています。党の理念としては、労働者の権利の保護、民主主義、自由、平等の実現を謳い、さらに台湾と中国との平和的な統一を目指しています。

結党当初、工党は一定の支持を受けましたが、1988年5月には内部での対立が生じました。その際、羅美文が統一志向が強く、労働組合を支持基盤とするグループの統合会を設立し、同年末には工党を離脱して新たに台湾労働党を結成しました。この二つの政党の対立は、工党に大きな影響を与えました。

1989年の選挙において、工党は高雄市議会選挙で一名の候補者が当選したものの、立法委員や県市長選挙では全ての候補が落選する結果となりました。この選挙の結果を受けて、選挙の責任を取った王義雄は党主席を辞任し、鄭昭明が新しい党主席に就任しました。

その後、工党は長らく選挙で候補者を擁立しておらず、台湾の各レベルの議会においても議席を持つことができませんでした。このような状態が続く中で、工党は現在の台湾政治に大きな影響力を持たない状況にあります。工党の成り立ちや理念は重要ですが、実際の政治における存在感は薄れていると言えます。工党が今後どのように変化し、台湾政治においての位置付けを確立するかが注目されるところです。

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