工業整備特別地域

工業整備特別地域について

工業整備特別地域（こうぎょうせいびとくべつちいき）、通称工特は、日本の工業政策の一環として設けられた特定の地域です。この制度は、昭和39年に制定された「工業整備特別地域整備促進法」（法律第146号）に基づいており、工業の立地条件が優れている地域などが指定されていました。この法律の目的は、地域の工業を活性化し、投資を促進することでした。

制度の概要

工業整備特別地域は、当初は工業が発展しており、立地条件が整った地域に対して特別な優遇措置を与えるものでした。この制度により、各地域では工業の発展を支援するための整備計画が策定され、地域経済の活性化が図られていました。具体的な施策としては、地方税の特別措置や地方債の利子補給、補助金の増額などが行われ、地域における工業投資につながるよう取り組まれていました。

指定された地区

1963年7月12日、工業整備特別地域として初めて指定されたのは次の6つの地区です：

1. 鹿島地区（茨城県）
2. 東駿河湾地区（静岡県）
3. 東三河地区（愛知県）
4. 播磨地区（兵庫県）
5. 備後地区（広島県）
6. 周南地区（山口県）

これらの地区は、それぞれ特異な工業環境を持ち、新産業都市の形成や地方開発の推進を目指しました。

制度の廃止

しかし、2001年3月30日をもって、工業整備特別地域整備促進法は廃止され、その結果、工業整備特別地域の制度自体も終了しました。この変化は、日本の工業政策において重要な節目となり、新たな地域政策や産業振興策が模索されるきっかけとなりました。

関連する施策

工業整備特別地域は、当時の全国総合開発計画（全総）に基づく「拠点開発」を支える重要な制度でありました。最近では、工業地域、工業地、地方開発事業団、新興工業都市などの概念と共に、地域工業の発展に寄与してきました。

このように、工業整備特別地域は日本の工業政策における特徴的な一面を形成しました。それは地方経済の活性化に向けた試みであり、国全体の産業基盤を支える重要な要素とされていました。

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