工藤章 (経済学者)

工藤 章（くどう あきら）

工藤章は1946年に生まれた日本の経済学者であり、歴史学者でもあります。彼は東京大学の名誉教授として、特にドイツ経済史と国際企業関係史において突出した業績を上げてきました。東京都で生まれ育ち、1969年に東京大学の経済学部を卒業した後、1975年までに東京大学大学院で博士課程を修了しました。この間に蓄積した知識や経験が後の研究活動に大きく寄与しています。

キャリアと学問的経歴

工藤は、東京大学社会科学研究所で助手としてのキャリアをスタートさせ、その後信州大学経済学部助教授、東京大学教養学部の助教授を経て、1992年には東京大学社会科学研究所の教授に就任しました。長年にわたる研究の成果として、2010年には同大学を定年退職し、名誉教授の称号を得ました。この間に彼は、数多くの教科書や専門書のみならず、学術的な論文を発表し、その枠を超えた知識を広めてきました。

主な著書と研究テーマ

工藤章の研究分野は主に日独両国の経済関係や、特にドイツの企業に焦点を当てています。彼の著書には以下のようなものがあります。

• - 『日独企業関係史』（1992年、有斐閣）
• - 『イー・ゲー・ファルベンの対日戦略 戦間期日独企業関係史』（1992年、東京大学出版会）
• - 『現代ドイツ化学企業史 IGファルベンの成立・展開・解体』（1999年、ミネルヴァ書房）
• - 『20世紀ドイツ資本主義 国際定位と大企業体制』（1999年、東京大学出版会）
• - 『日独経済関係史序説』（2011年、桜井書店）

彼の著書は、いずれもドイツの経済や企業の動向に関する深い洞察を提供しており、経済史の分野における貴重な資料とされています。

また、彼は編著者としても活躍しており、以下のような書籍が知られています。

• - 『20世紀資本主義2 覇権の変容と福祉国家』（1995年、東京大学出版会）
• - 『ドイツ統一と東欧変革』（1992年、ミネルヴァ書房）
• - 複数の編著書に関与し、経済史や国際関係の研究を広めています。

翻訳活動

さらに、工藤は翻訳者としても活動しており、アンドレ・G.フランクの『世界経済危機の構造』（1982年、TBSブリタニカ）など、外国の文献を日本語に翻訳することで、学問の幅を広げる努力をしています。

結論

工藤章の豊富な研究成果と多岐にわたる著書は、日本における経済学や歴史学の発展に寄与しており、彼の業績は学術界に大きな影響を与え続けています。彼の研究は、今後も新たな知識の探求に貢献することでしょう。

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