工部 (六部)

工部

工部は、中国古代における官庁組織、六部の一つです。その長官は尚書（工部尚書）であり、次官は侍郎（工部侍郎）が務めました。

隋唐代の工部

隋唐代の工部は、建設および庶務を担当する工部司、開墾事業を掌る屯田司、山川に関する業務を行う虞部司、そして水利事業を管理する水部司の四つの部門に分かれていました。それぞれの部門には、判官として郎中と員外郎が配置され、各部門の長として職務を遂行しました。

工部の歴史

工部の起源は周代に遡ります。当時、工部は冬官に属していました。秦漢時代には少府に属し、その管轄下に置かれていました。魏の時代になると、少府から水部曹が独立して設けられました。この水部曹は尚書台に属し、水利事業や水運といった水に関する業務を担当しました。晋の時代には、屯田曹と起部曹が設置され、それぞれ農地の開墾と水利事業を管轄しました。隋の時代に至り、これまでの各部門が統合され、工事、屯田、水利、交通といった広範な分野を主管する工部が設立されました。これにより、工部は尚書省の六部の一つとして、重要な地位を占めることとなりました。

工部の設立と変遷は、中国の官僚制度における建設・土木行政の重要性を示しています。各王朝における制度改革を通じて、工部は社会基盤の整備と維持に貢献しました。

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