左京未知子

左京未知子：昭和を彩った女優、その軌跡

左京未知子（さきょう みちこ、1937年1月7日 - ）は、日本の女優、歌手として昭和の芸能界で独自の足跡を残しました。本名を合満綾子（ごうみつ あやこ）といい、そのキャリアは多岐にわたります。

日活・新東宝時代：女優としての黎明期

1937年（昭和12年）1月7日、京都府京都市左京区に生まれた左京未知子は、日活に入社し、郷絢子（ごう あやこ）の名で1956年（昭和31年）7月に映画デビュー。その後、左京路子（さきょう みちこ）に改名し、本格的に女優としての活動を開始します。公式には、同年8月公開の『暁の逃亡』での二役出演が映画デビューとされています。1957年には新東宝へ移籍し、グラマー女優として頭角を現します。

新東宝時代には、『殺人と拳銃』、『野獣群』、『強奪された拳銃』などの作品で重要な役を演じ、『脱衣室の殺人』では主演を務めました。東宝系列の東京映画製作作品にも出演し、1959年には川島雄三監督の『グラマ島の誘惑』に出演。また、空手二段の腕前を持ち、同年公開の『暴力娘』では、柔道家役の万里昌代と格闘シーンを演じました。1960年には、テレビドラマ『ミステリー午後十時』で大空真弓と共演し、主演も務めています。1961年には、芸名を左京未知子に改め、新東宝倒産後は、歌手活動と並行してテレビドラマに出演しました。

成人映画の時代：表現者としての開花

新東宝倒産後、左京未知子は「左京未知子とトロピカル・リズム・エアーズ」を結成し、歌手としての活動を開始しました。1963年（昭和38年）には、成人映画の世界へと足を踏み入れ、主演作『不貞母娘』を皮切りに、数々の作品でその存在感を示します。黎明期の成人映画界で、宮口圭、浅野辰雄、藤田潤一、渡辺護といった監督たちの作品で主演を務め、その表現力は高く評価されました。

1967年からは劇団を率いて全国巡業を開始。1970年にはローヤルレコードと契約し、歌手としてもシングルやアルバムをリリースしています。また、日活がロマンポルノを開始した時期には、『恋狂い』にも出演しています。1973年の『スキャンダル夫人』出演を最後に、映画界を引退しました。以降、消息は不明ですが、その波乱万丈な人生は、今もなお語り継がれています。

再評価：伝説の女優として

2009年には、「60年代まぼろしの官能女優たち」という特集上映で『禁じられた乳房』が上映され、その魅力が再認識されました。また、『続悪徳医 女医篇』は、米国でDVDが発売されるなど、海外でも彼女の作品が評価されています。

主なフィルモグラフィ

左京路子名義

『悪魔の街』（1956年）
『暁の逃亡』（1956年）
『ジャズ娘誕生』（1957年）
『殺人と拳銃』（1958年）
『野獣群』（1958年）
『脱衣室の殺人』（1958年）
『グラマ島の誘惑』（1959年）
『暴力娘』（1959年）
『0線の女狼群』（1960年）

左京未知子名義

『不貞母娘』（1963年）
『挑まれた女』（1964年）
『濡れた牝馬』（1965年）
『艶説四谷怪談』（1965年）
『あばずれ』（1965年）
『禁じられた乳房』（1966年）
『続悪徳医 女医篇』（1967年）
『穴』（1967年）
『恋狂い』（1971年）
『薔薇のためいき』（1972年）
『スキャンダル夫人』（1973年）

ディスコグラフィ

シングル『素肌の抱擁』(1970年)
アルバム『㊙シリーズ夜の虫 左京未知子のすべて』(1970年)
* アルバム『㊙シリーズ夜の虫 路加奈子のすべて・素肌の抱擁 左京未知子のすべて』(1970年)



左京未知子は、その時代を駆け抜けた一人の女性として、また女優、歌手として、多くの人々の記憶に残る存在です。彼女の作品は、今もなお、多くの人々を魅了し続けています。

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