左翼党 (ドイツ)

ドイツ左翼党 (Die Linke) の解説

左翼党（Die Linke、リンケ）は、ドイツにおける主要な左派政党の一つです。そのルーツは、旧東ドイツの支配政党であったドイツ社会主義統一党（SED）にまで遡ります。東西ドイツ統一後、SEDの後継政党である民主社会党（PDS）が、新たな左派勢力として再編されました。

2005年、PDSは「労働と社会的公正のための選挙オルタナティブ」（WASG）という新党と選挙連合を結成し、「左翼党」として連邦議会選挙に臨みました。WASGは、当時の社会民主党（SPD）の右傾化に反発した左派グループによって結成された政党でした。2007年には、両党は正式に合併し、現在の左翼党が誕生しました。

左翼党の綱領と政策

左翼党は、民主社会主義、社会主義、そして左派・極左の立場を掲げています。主な政策としては、富裕層への課税強化、最低賃金の引き上げ、社会保障の拡充、そして反戦・平和主義などが挙げられます。また、新自由主義的な政策やグローバル化に批判的な立場を取っています。

歴史

左翼党は、その歴史の中で様々な変遷を経験してきました。東西ドイツ統一後の混乱期には、旧東ドイツ地域を中心に支持を集めましたが、旧西ドイツ地域ではなかなか支持が広がりませんでした。しかし、WASGとの合併を機に、旧西ドイツ地域でも徐々に支持を拡大していきました。

2009年の連邦議会選挙では、左翼党は躍進を遂げ、76議席を獲得しました。その後も、州議会選挙などで議席を獲得し、ドイツ全土で影響力を拡大しています。しかし、近年では、他の左派政党との競合や、党内の路線対立などから、支持率が低迷する時期もありました。

2022年のロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、党内に対立が生まれ、ザーラ・ヴァーゲンクネヒトら一部の議員が離党し、新党を結成する事態となりました。

党内の派閥

左翼党は、多様な思想を持つグループを内包しており、党内には様々な派閥が存在します。主な派閥としては、以下のようなものが挙げられます。

反資本主義左翼 (AKL)
共産主義プラットフォーム (KPF)
社会主義左翼 (SL)
改革左翼ネットワーク
解放左翼 (Ema.Li)
民主社会主義フォーラム (fds)

これらの派閥は、それぞれ異なる政策やイデオロギーを掲げており、党内の議論や意思決定に影響を与えています。

選挙結果

左翼党は、連邦議会選挙や欧州議会選挙で議席を獲得し、ドイツの政治に一定の影響力を持っています。しかし、近年では、他の左派政党との競合や、党内の路線対立などから、支持率が低迷する時期もありました。2021年の連邦議会選挙では、得票率が5%を下回り、議席数を大きく減らす結果となりました。

ドイツ連邦議会選挙における党勢推移

欧州議会議員選挙における党勢推移 (ドイツ選出)

まとめ

左翼党は、ドイツの左派勢力を代表する政党の一つです。その歴史は長く、旧東ドイツの支配政党にまで遡ります。多様な思想を持つグループを内包し、党内には様々な派閥が存在します。近年では、支持率が低迷する時期もありましたが、社会の公正と平等を追求する姿勢は、今もなお多くの人々に支持されています。

左翼党は、ドイツの政治において、重要な役割を果たし続けています。

もう一度検索