巨闕穴

巨闕（こけつ）

巨闕は、任脈に位置する第14番目の経穴であり、手の少陰心経の募穴です。武道や武術においては、急所として知られる水月（すいげつ）とも呼ばれています。

部位

巨闕は、胸骨体の下端から下方2寸（約4cm）のところに位置します。これは、左右の肋骨が合わさる部分のすぐ下に当たります。

筋肉・神経・血管

この部位には、以下の組織が通っています。

知覚神経: 肋間神経前皮枝
動脈: 肋間動脈、上腹壁動脈

これらの神経や血管は、巨闕とその周辺の組織に栄養を供給し、感覚を伝達する役割を担っています。

名前の由来

巨闕という名前は、「巨」が巨大な、「闕」が宮門を意味することに由来します。これは、巨闕が体の中心に位置し、重要なエネルギーが出入りする場所であると考えられていたためです。

効能

巨闕は、以下のような症状に効果があるとされています。

精神神経系:
胸痛、心痛
心煩（精神的なイライラ、落ち着きのなさ）
驚きやすい、動悸
仮死状態
うつ病に伴う精神錯乱
てんかん
健忘（記憶力の低下）
呼吸器系:
胸満（胸の圧迫感）による呼吸困難
喘逆上気（呼吸困難を伴う、息苦しさ）
消化器系:
腹脹（お腹の張り）
突然の激しい腹痛
嘔吐
しゃっくり
食物が食道でつかえ飲み込めない
呑酸（胃酸の逆流）
黄疸
泄痢（下痢）

これらの効果は、巨闕が心経と密接な関係を持ち、気の流れを調整する作用があるためと考えられています。特に、精神的なストレスや消化器系の不調によって引き起こされる症状に有効とされています。

施術法

巨闕への施術は、鍼灸や指圧などを用いて行われます。鍼灸では、経穴に鍼を刺したり、艾（もぐさ）を燃やして温熱刺激を与えたりします。指圧では、指で経穴を圧迫することで、気の流れを整えます。専門家による適切な施術を受けることが重要です。

注意事項

妊娠中の方や、重篤な疾患をお持ちの方は、施術前に必ず医師に相談してください。また、施術後には、安静を保ち、体調の変化に注意してください。

免責事項:

この情報は、一般的な知識に基づいて提供されており、医学的なアドバイスとして解釈されるべきではありません。個々の症状については、必ず専門家の診断を受けてください。

参考文献

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関連項目

任脈
手の少陰心経
経穴
水月（武術）

外部リンク

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