巫俗

巫俗（ふぞく）について

巫俗（ふぞく）、またの名をムーソクや韓国語での表記は무속は、朝鮮半島における伝統的なシャーマニズムを指します。この宗教は、主にムーダン（ムダン）と呼ばれるシャーマンが中心となり、お告げを行う重要な役割を果たします。

ムーダンは、神が降りる儀式として知られる「クッ（굿）」を行い、個人の幸せや病気の治癒、亡くなった方への供養、また地域の神々へのお祈りなど、様々な目的を持っています。このような儀式が行われることで、人々は心の安らぎを得ると同時に、地域社会とのつながりを深めていくのです。

ムーダンと地域性

巫俗の特徴として、ムーダンの男女比には地域ごとの違いがあります。ある地域では男性のムーダンが主流であるのに対し、別の地域では女性のムーダンが多く存在します。このように、地域性が色濃く反映されています。また、韓国の済州島では、ムーダンをシンバンと呼ぶなど、名称も異なる場合があります。

李氏朝鮮時代の巫俗

李氏朝鮮時代は、朱子学が国教とされる中で、ムーダンとその儀式が賎民と見なされ、社会的には蔑視の対象となっていました。しかし末期には、閔妃が真霊君という巫女に傾倒し、国家の資源を浪費する結果となる大規模な儀式が行われたのです。真霊君は非常に重んじられ、国王や王妃との面会が許されるなど、特権的な位置を確立しました。この影響で、国政が真霊君の助言を受けて決定されることもあり、社会は混乱しました。

民間宗教としての復活

その後、巫俗は古い迷信として衰退しましたが、戦後に入ると、新たに国家主義的な価値観に結びつき、巫俗が朝鮮固有の宗教として再評価される動きが見られるようになりました。近年では、巫俗が公の場で取り上げられることも増え、再興の兆しを見せています。

現代のムーダン

現代においては、ムーダンの多くが女性であり、降神巫や世襲巫といった様々な形態があります。また、男性のムーダンはパクスとも呼ばれています。この戒律に従い、墨守される伝統が日々継承されています。日本の神道と多くの類似点を持つ連続する儀式の中で、巫俗の重要性はますます高まっています。

まとめ

巫俗は、朝鮮半島の文化や歴史に深く根ざした宗教であり、今後もその影響力は続くでしょう。人々にとっての精神的な支えだけでなく、地域の結束を促す役割も担っているため、さらに注目されることが予想されます。

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