市 (インドネシア)

インドネシアにおける「市（コタ）」は、県（カブパテン）と同等の第2級行政区画です。市と県の違いは、市が非農業的経済活動の中心地であり、人口密度が高いのに対し、県は農村地域が主体で面積も広い点にあります。インドネシアの歴史を通して、市の定義は変遷を遂げてきました。

歴史的定義

ヘメーンテ/基礎自治体
オランダ領東インド時代、1903年の分権法により、市はヘメーンテ（基礎自治体）として統治されました。ヘメーンテは、レジデンシーやグーベルネメントの下に位置する第3級行政区画でした。

コタ・べサルとコタ・クチル
1948年の法改正により、「コタ・べサル」（大きな市）と「コタ・クチル」（小さな市/自治区）という用語が登場しました。コタ・べサルは県の都市版で、州の直下に置かれる第2級行政区画、コタ・クチルは比較的小さな都市地域で、州、県に次ぐ第3級行政区画でした。

コタラヤ、コタマディヤ、コタプラジャ
1965年の法により、市はコタラヤ（大都市、第1級行政区画）、コタマディヤ（中都市、第2級行政区画）、コタプラジャ（小都市/町、第3級行政区画）の3つに分類されました。コタラヤは州と同格、コタマディヤは県、コタプラジャは郡と同格でした。ジャカルタのみがコタラヤの地位を与えられました。
1974年、コタラヤとコタプラジャは廃止され、1999年まで都市地域の多くはコタマディヤと称されました。ジャカルタは州と同格の唯一の都市地域であり続けました。

コタ・アドミニストラティフ
1974年の法改正で、コタ・アドミニストラティフ（行政町）が導入されました。これは県の領域内の町に、成長・発展に応じて与えられる地位で、自治体ではなく立法機関も持ちません。1999年にコタ・アドミニストラティフは廃止され、市（コタ）としての地位を得るか、県に吸収されるかのどちらかの道を辿りました。

コタ
スハルト後の時代、コタマディヤに代わり「コタ (kota)」という用語が用いられるようになりました。コタの長である市長（ワリコタ）は直接選挙で選出され、5年任期です。コタはさらにクチャマタンという郡に下位区分されます。

市としてのジャカルタ

オランダ海上帝国時代、バタヴィア（現在のジャカルタ）は最初に開発された都市でした。1621年には最初の市政府が設けられ、1905年にはオランダ領東インドで最初の基礎自治体となりました。インドネシア独立後、ジャカルタは西ジャワ州の一部とされましたが、1957年に州と同格の市となりました。現在、ジャカルタは法体系上「特別州」として扱われますが、依然として広く「市」としても認識されています。国際連合の統計データベースでも、ジャカルタは市として扱われています。

ジャカルタ首都特別州は、5つの行政町（コタ・アドミニストラティフ）と1つの行政県から構成されます。行政町は自治体ではなく、行政上の目的で設けられ、首長も選挙ではなく知事の任命により選ばれます。

インドネシアの地方行政制度の専門家は、ジャカルタを「市として経営されている州」と表現しています。ジャカルタ知事も「ジャカルタは州としての格をもった市」と述べています。

ジャカルタ知事は、他の州知事が「州知事庁舎」で執務するのに対し、「市庁舎」で執務します。

創設順の市の一覧

(注釈は省略)

脚注

(脚注は省略)

関連項目

インドネシアの都市の一覧
コタトゥア (ジャカルタ)
en:City status
en:List of Indonesian cities by population
* en:List of Indonesian cities by GDP

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