市町村の合併の特例に関する法律

市町村の合併の特例に関する法律

市町村の合併の特例に関する法律（以下、合併特例法）は、市町村合併に関する特例を定めた日本の法律です。地方自治法に基づき、市町村の廃置分合に関する特例を規定しています。この法律は、市町村の合併を促進し、地方自治体の効率化を図ることを目的としています。

概要

合併特例法は、市町村の合併に関する特例を定めるもので、地方自治法、地方税法、公職選挙法など、関連する法律の特例を規定しています。この法律の目的は、市町村合併を円滑に進めるための制度を整備することです。

旧合併特例法（昭和40年法律第6号）は、2005年3月31日に失効しましたが、その後、合併を促進するために新たな合併特例法が制定されました。この新法は、旧法の目玉であった合併特例債を廃止する一方で、「3万市特例」や地方税の不均一課税、議員の在任特例などの合併に関する障害を取り除く措置を存続させました。さらに、合併特例区の制度を新設し、都道府県に合併推進構想の策定を義務付けるなど、合併を促進する内容が盛り込まれていました。

2005年の施行以降、新法により合併が推進されましたが、2010年の改正により、合併推進運動の終了を受けて、法の目的は「合併の推進」から「合併の円滑化」に改められました。この改正では、「3万市特例」や国・都道府県による合併推進に関する規定が削除され、法律の題名も「市町村の合併の特例等に関する法律」から「市町村の合併の特例に関する法律」に変更されました。

沿革

合併特例法は、過去に何度か改正されています。

1965年（昭和40年）3月29日：旧・合併特例法が公布・施行されました。
1995年（平成7年）4月1日：旧・合併特例法が改正され、10年間の延長や住民発議制度の創設が行われました。
2000年（平成12年）4月1日：地方分権一括法により、合併算定替の期間延長や合併特例債の新設が行われました。
2005年（平成17年）3月31日：旧・合併特例法が失効しました。
2005年（平成17年）4月1日：新・合併特例法が施行されました。
2010年（平成22年）4月1日：新・合併特例法が改正され、法律の題名が変更されました。

内容

合併特例法の内容は、以下の通りです。

総則: 法律の目的や基本原則が定められています。
合併協議会の設置: 合併を検討する際に設置される協議会について規定しています。
合併協議会設置の直接請求・住民投票: 住民が合併協議会の設置を請求できる制度について規定しています。
合併市町村基本計画の作成: 合併後の市町村の基本計画の作成について規定しています。
合併障害の除去: 合併を妨げる要因を取り除くための措置について規定しています。
地方税の不均一課税、議員の在任特例: 旧法の規定を存置し、地方税の不均一課税や議員の在任特例を認めています。
合併算定替: 合併後の地方交付税の算定について、合併前の交付税額を下回らないようにする特例を定めています。
合併特例区: 合併後5年以内に限り、旧市町村域を単位とする特例区を設置できる制度を設けています。合併特例区は、法人格を持つ特別地方公共団体であり、区長や協議会が置かれます。

2010年改正で廃止された内容

2010年の改正では、以下の内容が廃止されました。

合併推進のための方策: 総務大臣による基本指針の策定や都道府県による合併推進構想の策定、合併協議会設置の勧告などが廃止されました。
3万市特例: 合併時に人口3万人以上で市に移行できる特例が廃止されました。

在任特例の影響

議員の在任特例により、合併前の市町村の議員が合併後も一定期間在任することが認められました。これにより、合併後の混乱を避けることが期待されました。しかし、秋田県三種町では、在任特例の影響で、議員の任期が選挙後も残るという現象が生じ、議会運営に影響が出ました。

関連項目

地方分権
日本の市町村の廃置分合
消滅した日本の市町村の一覧
消滅した郡の一覧
大字

外部リンク

首相官邸・市町村合併支援本部
市町村の合併の特例に関する法律 - e-Gov法令検索
市町村の合併の特例に関する法律施行令 - e-Gov法令検索
* 市町村の合併の特例に関する法律施行規則 - e-Gov法令検索

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