市谷亀岡八幡宮

市谷亀岡八幡宮について

市谷亀岡八幡宮は、東京都新宿区市谷八幡町に位置する神社で、特に八幡神社の一つとして知られています。その起源は1467年に遡り、太田道灌が江戸城の築城の際に、鎌倉の鶴岡八幡宮から分霊を祀ったことに始まります。道灌は自身の拠点としての江戸を守るため、西方の守護神を求めたのです。この神社は当初、市谷御門の内側に建立されましたが、何度かの戦火や荒廃を経て、1636年ごろに江戸城の外堀が完成したタイミングで、現在の位置に移転しました。

江戸時代には、徳川家光や桂昌院など多くの信仰を集め、この時代に神社は再興されました。さらに、境内には茶屋や芝居小屋が設けられ、人々の交流の場として賑わいました。この時期には、神社の例祭が市中で華やかに行われ、多くの人々が参加しました。

しかし明治に入ると、神仏分離令に伴い、神社の別当寺だった東円寺が廃寺となり（1872年）、境内の趣も変化しました。さらに、1945年5月25日の空襲によって社殿が焼失し、重要な神木であるクスノキも焼かれてしまいました。社殿は1962年に再建され、現在も多くの参拝者が訪れ、地域の人々から信仰を受け続けています。

祭神

市谷亀岡八幡宮に祀られているのは、誉田別命（応神天皇）、気長足姫尊（神功皇后）、与登比売神の三神です。また、境内には茶ノ木稲荷神社もあり、そこでは稲荷大神と保食神が祭られています。

文化財

この神社には、新宿区登録有形文化財や指定有形文化財の魅力的な文化財が数多く存在します。特に、軍配団扇は太田道灌によるものであり、その制作や奉納された時期は不明なものの、貴重な工芸品として大切にされています。他にも、文化元年に建てられた銅鳥居や、様々な名付けられた力石、几号水準点などが歴史的価値を示しています。

祭事

市谷亀岡八幡宮は、年間を通じてさまざまな祭事が行われます。1月には歳旦祭と元始祭、2月には節分祭追難式と祈年祭が行われ、夏の季節には夏越大祓が行われます。また、8月には例大祭があり、年末には大祓が実施されます。これらの祭りは、多くの地域住民にとって、伝統や文化を感じる機会でもあります。

アクセス

市谷亀岡八幡宮へのアクセスは非常に便利です。最寄り駅は市ケ谷駅で、そこから徒歩5分ほどの距離に位置しています。外堀通りから入る表参道は、穏やかな参道となっています。

このように、市谷亀岡八幡宮は長い歴史と文化的な背景を持ち、地域の人々から愛される神社です。観光客のみならず、地元の方々にとっても大切な存在となっています。

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