桂昌院

桂昌院の生涯と影響

桂昌院（けいしょういん）は、寛永4年（1627年）に生まれた江戸時代の女性です。彼女は、江戸幕府3代将軍・徳川家光の側室であり、5代将軍・徳川綱吉の母として知られています。通称としては、玉や光子と呼ばれています。彼女の父は北小路太郎兵衛宗正（宗利）で、母は鍋田氏の出身でした。兄には本庄道芳、弟には本庄宗資がいます。

幼少期と家光との出会い

桂昌院は京都の大徳寺近くで育ちました。幼少期における彼女の出自には諸説あり、実際の身分が低いという噂も生まれました。彼女は、寛永16年（1639年）から家光の側室であるお万の方に仕官し、その後は春日局の支持を受け、「秋野」という名前をもらいました。この時期に、彼女は家光に見初められ側室となり、1646年には綱吉を出産します。

大奥とその影響力

家光が1651年に死去すると、桂昌院は大奥を退き、筑波山の知足院に移ります。しかし、延宝8年（1680年）に綱吉が将軍に就任した際に、再び江戸城へと戻り、次第に影響力を増していきました。彼女は、貞享元年（1684年）に従三位、元禄15年（1702年）には女性の最高位となる従一位の官位を得ます。

家族と後の人生

桂昌院は、実家である本庄氏の勢力を拡大させ、彼女の威光によって多くの本庄家の人々が大名に昇進しました。彼女の死後、173年後の宝永2年（1705年）6月22日に79歳で亡くなりました。彼女の墓所は東京の増上寺に存在し、遺髪塚は京都の善峯寺に「桂昌院廟」として礼拝されています。

桂昌院の功績

桂昌院は仏教の香を深く愛し、多くの寺院の建立や再興を支援しました。特に護国寺の開山を支援し、また、善峯寺や南禅寺などの再建にも尽力しました。彼女はまた、唐招提寺の復興にも貢献し、多くの人々に仏教の教えを広める役割を果たしました。彼女の影響力は、宗教的な面でも強く表れました。

逸話と文化的影響

桂昌院にはいくつかの逸話が存在します。例えば、男子の綱吉に関して生類憐れみの令発令に関与したとされていますが、近年の研究ではその説が薄れてきています。また、『玉の輿』の語源とされることもありますが、これはあくまで俗説です。彼女に関する文化的な取り扱いは幅広く、文献や映画、ドラマに登場することも多いです。

最後に

桂昌院の生涯は、江戸時代の女性がどのように力を持ち、歴史を形作っていったのかを考える上で、非常に重要なケーススタディとなります。彼女の存在は、政治・文化の両面で多くの影響を及ぼし、今でも多くの人々によって語り継がれています。

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