帆足正音

帆足正音の生涯とマレー沖海戦での功績

帆足正音（ほあし まさと）は、1919年1月8日に大分県玖珠郡森町で生まれた日本の海軍軍人です。彼は浄土真宗本願寺派の寺院である鷹巣山光林寺の住職の息子として育ちました。大学の龍谷大学専門部を卒業した後は、海軍予備航空団で飛行訓練を受け、1940年に海軍航空予備学生として霞ヶ浦海軍航空隊へ入隊しました。1941年4月には予備少尉に任命され、後に木更津海軍航空隊に配属されました。

マレー沖海戦の背景

1941年12月、帆足は元山海軍航空隊に転任し、太平洋戦争の開戦を迎えました。元山空は第22航空戦隊に所属し、サイゴンを基地に南方作戦に従事していました。その中で、英国東洋艦隊には注目すべき戦艦が存在し、帆足はその艦隊の情報収集を任されました。彼は1941年12月10日の朝6時に索敵機の機長として出撃し、艦隊の位置を探る重要な任務に携わりました。

英国艦隊発見

出撃した帆足の機体は、3番索敵線を飛行しながら艦隊発見に奔走しました。帰還の途についた午前11時30分、帆足は敵艦隊を発見します。彼は高度3000メートルで敵艦隊に接触し、確認後は無電を通じてその位置を報告しました。発した無電には「敵主力見ユ、北緯4度、東経103度55分、針路60度、1145」と記され、彼の貢献が明確に示されました。

その後も敵艦隊との接触を維持し、攻撃隊の指揮を行い、後に英国の戦艦2隻が沈没する結果に繋がりました。帆足はこの日の戦果を確認し、午後7時20分にサイゴン基地に帰還。燃料が限界に達しながらも彼は無事に任務を終えました。この行動は当時、大いに称賛され、戦中の教科書にもその功績が記載されることになりました。

増す評価と不運な運命

帆足機の搭乗員には、副操縦員の田中喜作や偵察員の鷲田光雄、電信員の森慎吾、平尾要一、高橋光男、搭整員の堺義久がいました。しかし、翌1942年3月、帆足は台湾への飛行中に行方不明になり、戦死扱いとされました。彼の活躍が残した歴史的な意義は、今なお多くの人々に語り継がれています。

まとめ

帆足正音は、日本の海軍史において重要な役割を果たした軍人の一人です。彼の勇敢な行動と戦略的な判断力は、マレー沖海戦における勝利に大きく貢献しました。その生涯は短いながらも、彼の業績は現在でも評価されており、海軍軍人としての誇りを与える存在であるといえるでしょう。

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