帝人中央研究所爆破事件

帝人中央研究所爆破事件

1974年11月25日、東京都日野市に所在する帝人中央研究所で、東アジア反日武装戦線「狼」グループによる爆弾テロ事件が発生しました。この事件は、彼らによる連続企業爆破事件の一環として実行されました。

事件の背景

帝人は、三菱重工業や三井物産といった巨大財閥系の企業ではありませんでしたが、当時の社長であった大屋晋三氏の下で多角的な経営を展開し、海外進出にも積極的な姿勢を見せていました。東アジア反日武装戦線は、帝人のこのような海外進出を「経済的侵略行為」と捉え、テロの標的として選定しました。

事件の概要

東アジア反日武装戦線「狼」グループは、同年8月30日に発生させた三菱重工爆破事件で多数の死傷者を出したことに大きな衝撃を受けていました。しかし、「大地の牙」グループの参入もあり、爆弾闘争を継続する覚悟を固め、新たな爆弾テロに着手しました。

1974年11月25日午前3時、彼らは帝人中央研究所の配電盤室に消火器爆弾を仕掛け、爆破を実行しました。しかし、この爆破による被害は軽微にとどまり、三菱重工爆破事件や三井物産爆破事件ほどの社会的注目を集めることはありませんでした。当初、彼らは帝人本社を爆破する計画を立てていましたが、警察の意表を突くために標的を中央研究所に変更したとされています。

参考文献

松下竜一『狼煙を見よ 東アジア反日武装戦線“狼”部隊』（読売新聞社・戦後ニッポンを読む、1997年） ISBN 4-643-97116-9
松下竜一『狼煙を見よ 東アジア反日武装戦線“狼”部隊』（河出書房新社・松下竜一その仕事22、2000年） ISBN 4-309-62072-8

関連項目

* 連続企業爆破事件

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