帝都物語

帝都物語について

『帝都物語』（ていとものがたり）は、著者の荒俣宏によって書かれた日本の小説で、1985年に発表されました。この作品は、映画やアニメ、漫画など多岐にわたるメディアに展開されたことで、特にその影響力は大きく、荒俣の代表的な作品となっています。

概要

本作は荒俣宏のデビュー作であり、1987年には第8回日[[本SF大賞]]を受賞し、1988年に映画化されました。その後、さまざまな流派のメディアミックスが進行し、荒俣の名を広めることに寄与しました。物語は1983年に創刊された角川書店の『小説王』に連載され、その後「カドカワノベルズ」の新書判として書き下ろしで発表されました。この作品は大ヒットを記録し、荒俣は約1億5千万円の印税を獲得しましたが、そのほとんどは書籍収集に費やされてしまったと言われています。

本書は、平将門の怨霊による帝都の破壊を目論む魔人・加藤保憲と、それを阻止しようとする人々との対決を描いています。物語は明治末期から昭和73年までの約100年間にわたり、実際の歴史や人物を巧みに組み合わせた壮大なスケールが特徴です。荒俣は博物学や神秘学に関する豊富な知識を駆使しており、特に風水や陰陽道に関連するテーマが本格的に扱われています。これにより、本作は日本の小説の中でも特異な地位を占める作品とみなされています。

外伝と続編

本作にはいくつかの外伝も存在し、江戸時代を舞台にした『帝都幻談』や、幕末期を描いた『新帝都物語』『龍神村木偶茶屋』などがあります。また、設定が少し異なるものの、加藤保憲が登場する『妖怪大戦争』も関連作品として知られています。

各篇一覧

- 帝都物語1 神霊篇
- 帝都物語2 魔都（バビロン）篇
- 帝都物語3 大震災（カタストロフ）篇
- 帝都物語4 龍動篇
- 帝都物語5 魔王篇
- 帝都物語6 不死鳥篇
- 帝都物語7 百鬼夜行篇
- 帝都物語8 未来宮篇
- 帝都物語9 喪神篇
- 帝都物語10 復活篇
- 帝都物語11 戦争（ウォーズ）篇
- 帝都物語12 大東亜篇
- 帝都物語外伝機関（からくり）童子

それぞれの篇は独自の物語を展開し、時系列を遡る形で外伝的に書かれたものもあります。特に角川文庫新装版では時系列に沿った形で配列され、物語の理解がしやすくなっています。

登場人物

作品には、実在の人物だけでなく架空の人物も登場し、その絡み合いが物語の深みを加えています。加藤保憲を始め、辰宮家の人々や他の多くの人物が物語の中で重要な役割を果たしています。これらのキャラクターはそれぞれ複雑な背景を持ち、物語の展開に大きく関与しています。

主なキャラクター

- 加藤保憲

- 明治40年から帝都崩壊を企む怪人。陸軍少尉から中尉へ出世。

- 辰宮洋一郎

- 大蔵省官吏で、加藤に利用される。

- 辰宮由佳理

- 洋一郎の妹で、強力な霊能力を持つ。

- 辰宮雪子

- 由佳理の娘で、禁忌の子。

映画版

『帝都物語』は1988年に初映画化され、キャストやスタッフには著名な人物が多数関与しました。この映画版は日本初の本格的ハイビジョンVFX映画ともされ、多くの観客を魅了しました。特に幻想的なクリーチャーやビジュアルエフェクトが評価され、制作時の工夫が光っています。

まとめ

『帝都物語』は日本文学において重要な地位を占める作品であり、荒俣宏の知識や創造力が存分に発揮されています。小説としてだけでなく、映画やアニメ、漫画など様々な形で表現され、多くの人々に影響を与えてきた作品として今も記憶されています。

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