帝里木下

帝里 木下: 元プロボクサーの軌跡

帝里木下（ている きのした、1985年12月17日生まれ）は、韓国籍の元プロボクサーで、特に日本スーパーフライ級でその名を馳せました。本名は朴泰一で、大阪府大阪市出身です。右利きながらも、ボクサーファイターとして左構えを選び、攻撃的なスタイルで観客を魅了しました。

来歴

彼のボクシングキャリアは、徳山昌守に強い憧れを抱き、大阪朝鮮高級学校へ進学した際に始まりました。さらに、龍谷大学在学中はアマチュアボクシングで活躍し、数々の試合を経験しました。大学を卒業後は千里馬ジムに入門し、2008年5月11日に明石産業会館にてプロデビューを果たします。この試合では、兼本誠大選手に対して判定勝利を収め、プロボクサーとしての第一歩を踏み出しました。

2011年には「最強後楽園」にエントリーし、決勝戦に進出。在戦中の翁長吾央選手との試合では、4回負傷判定で引き分けとなりましたが、ジャッジのポイント判定により、日本スーパーフライ級王座挑戦権を獲得します。王座が空位となった後、2012年3月27日には佐藤洋太選手の世界タイトルマッチのアンダーカードで王座決定戦に臨み、2-1の判定勝利を収めてプロ初タイトルが生まれました。

王座を保持してからも、帝里はその名声を保ち続け、2012年7月22日に行われた初防衛戦では同級2位の角谷淳志選手に勝利し、同年11月23日の大庭健司選手との試合でも3-0で勝利を収めました。接近した戦いが続く中、彼は2013年までに5度の防衛を成功させ、実力を示しました。特に2013年3月31日、神戸で行われた白石豊土選手との試合では主導権を握り、再び文句なしの判定勝ちを収めました。

プロとしての挑戦と挫折

しかし、2014年1月16日に日本スーパーフライ級王座を返上した後、IBF世界スーパーフライ級王座決定戦に挑んだ際には挫折を味わいます。2014年7月18日にこれをかけた試合が神戸で行われ、南アフリカ共和国のゾラニ・テテ選手と対戦し、判定での敗北を喫しました。この試合は彼のキャリアにおいて初めての黒星となりました。

さらに、2017年7月2日には、ブリスベンでIBF世界スーパーフライ級王者のヘルウィン・アンカハス選手に挑戦し、再度敗北を経験しました。この試合を経て彼の戦績は、アマチュアボクシングにおいて80戦65勝15敗、プロボクシングでは28戦25勝（8KO）2敗1分に達しました。

並外れた実績と現在

ボクシング界から引退した後、帝里木下は神戸ポートタワーホテルの社員として新たなキャリアを築いています。記者会見なども同ホテルで行う姿が見受けられ、このようにボクシング以外の分野でも活動しています。彼はまた、2014年にはABCラジオの番組にも出演し、ボクシング界での経験を語る機会も得ています。

獲得したタイトル

彼の素晴らしい戦績の中でも特筆すべきは、第35代日本スーパーフライ級王座を保持し、5度の防衛に成功したことです。この偉業は、彼の努力と才能の証といえるでしょう。

帝里木下は今でも多くのボクシングファンに影響を与え続ける存在です。彼のボクシングキャリアは、多くの後進にとっての道標となっています。

もう一度検索