帯広市立大正小学校

北海道帯広市大正町に位置する帯広市立大正小学校は、複数の学校の統合を経て現在の形となった公立小学校です。その歴史は古く、地域の教育を担う中心的な存在として歩み続けています。

現在の帯広市立大正小学校の前身の一つである（旧）大正小学校は、明治33年（1900年）4月1日に幸震簡易教育所としてその第一歩を踏み出しました。明治36年（1903年）6月26日には幸震尋常小学校として開校し、地域の子どもたちの学び舎となりました。その後、昭和3年（1928年）には校舎が移転改築され、教育環境の整備が進められました。学校の名称は時代の変遷と共に変わり、昭和16年（1941年）には大正尋常小学校、翌昭和17年（1942年）には大正国民学校となりました。戦後の昭和22年（1947年）4月1日には大正村立大正小学校となり、同年5月1日には村立大正中学校が校舎内に併置されましたが、中学校は昭和26年（1951年）5月に移転しました。昭和28年（1953年）6月26日には開校50周年記念式典が盛大に挙行され、この日、校歌も制定されました。昭和32年（1957年）4月1日、町村合併により帯広市に編入されたことに伴い、帯広市立大正小学校と改称しました。昭和38年（1963年）には開校60周年を迎え、記念式典が行われました。

昭和40年代に入ると、地域の小学校の統合が進められます。（旧）大正小学校は、昭和41年（1966年）4月1日に戸蔦小学校を統合しました。戸蔦小学校は明治38年（1905年）に簡易教育所として始まり、大正3年（1914年）に開校した学校です。さらに昭和43年（1968年）4月1日には幸福小学校を統合しました。幸福小学校は昭和8年（1933年）に特別教授所として設置され、昭和16年（1941年）に独立開校した学校です。そして、昭和44年（1969年）4月1日には桜木小学校を統合しました。桜木小学校は明治38年（1905年）に私立教育所として設立され、大正元年（1912年）に開校した学校で、旧称を上途別小学校といい、昭和41年（1966年）に桜木小学校に改称したばかりでした。統合前の昭和44年2月には校舎が火災で全焼するという出来事もありました。これらの統合を経て地域の中心校としての機能を強めた（旧）大正小学校ですが、昭和47年（1972年）3月31日をもって閉校しました。

現在の帯広市立大正小学校は、この（旧）大正小学校と以平小学校が統合して、昭和47年（1972年）4月1日に新たに開校した学校です。この統合により、旧以平小学校の校舎に以平分教場が設置されました。新しい大正小学校では、開校後の昭和47年7月21日に校歌と校章が制定されました。さらに、昭和49年（1974年）4月1日には泉小学校を統合し、同時に以平分教場は廃止されました。以平小学校は大正6年（1917年）に上途別尋常小学校以平特別教授所として始まり、昭和2年（1927年）に独立開校した学校です。泉小学校は昭和2年（1927年）に以平尋常小学校上以平特別教授所として設置され、昭和9年（1934年）に上以平尋常小学校として独立開校、昭和41年（1966年）に泉小学校と改称した学校です。

このように、帯広市立大正小学校は、地域の複数の学校の歴史と伝統を受け継ぎながら、その歩みを進めてきました。平成24年（2012年）11月25日には開校40周年記念式典が挙行されました。令和元年（2019年）5月1日現在の児童数は110名で、各学年の内訳は1年生20名、2年生23名、3年生17名、4年生18名、5年生17名、6年生15名となっています。また、特別支援学級には10名の児童が在籍しています。卒業後の進学先中学校は、平成28年（2016年）5月1日現在、帯広市立帯広第七中学校となっています。

学校周辺には、敷地が隣接する帯広市立帯広第七中学校をはじめ、慈光学園やはちす園といった施設があります。アクセスについては、十勝バス61系統の大正小学校線が利用可能で、終点「大正小学校前」バス停で下車できますが、運行本数は朝の帯広駅バスターミナル発が1本のみとなっています。

著名な出身者としては、バレーボール選手としてKUROBEアクアフェアリーズで活躍する道下ひなのさんがいます。

地域と共に発展してきた帯広市立大正小学校は、これからも子どもたちの健やかな成長を見守り、学びを深める場として重要な役割を担っていきます。

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