帰ってほしいの (アルバム)

ジャクソン5のデビューアルバム『帰ってほしいの』について

ジャクソン5のファーストアルバム『帰ってほしいの』（原題: Diana Ross Presents The Jackson 5）は、1969年にリリースされ、グループの名を一躍有名にした歴史的な作品です。このアルバムは、モータウン的な要素をたっぷり含んだ楽曲の数々で構成されており、特にシングル「帰ってほしいの」（I Want You Back）での成功が印象的です。

アルバムの制作背景

本作に収録された「ノーバディ」と「帰ってほしいの」の二曲は、プロデューサーチーム「ザ・コーポレーション」によって特にジャクソン5のために書き下ろされました。その他の楽曲は、フォー・トップスやスティーヴィー・ワンダー、ミラクルズ、そしてマーヴィン・ゲイなど同じくモータウンに所属するアーティストによるカバー曲が多く含まれています。また、スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンやP-Funkの楽曲も収録されており、時代を象徴する楽曲が揃っているのが特徴です。

アルバムの原題にも注目が集まります。モータウンはマーケティング戦略として、ジャクソン5を「ダイアナ・ロスが見出したアーティスト」として売り出しましたが、実際にグループを発掘したのはグラディス・ナイトやボビー・テイラーであったことが後に明らかになりました。ボビー・テイラーは、シカゴのリーガル・シアターでジャクソン5と共に過ごした後、彼らをデトロイトへと連れて行き、モータウンのオーディションの準備を整えた人物でもあります。

ヒット曲とチャート成績

先行シングル「帰ってほしいの」は大ヒットを記録し、アメリカのR&Bチャートで1位を獲得。総合チャートであるBillboard 200でも5位に達するなど、その影響力は計り知れません。また、「Stand!」はジャクソン5がインディアナに凱旋公演を果たした際のパフォーマンス映像にも映し出され、多くのファンの心に残る曲となりました。

再発と特別収録

2001年には、このアルバムが再発され、次作『ABC』の全曲に加えて、本作のために録音された「オー・アイヴ・ビーン・ブレスト」が特別に追加された25曲入りのアルバムとして登場しました。この再発により、改めてジャクソン5の軌跡が辿られることになりました。

収録曲リスト

アルバムは、以下の曲で構成されています：

Side 1

1. ジッパ・ディー・ドゥー・ダー - "Zip-a-Dee-Doo-Dah" (Ray Gilbert, Allie Wrubel) - 3:13
2. ノーバディ - "Nobody" (The Corporation) - 2:49
3. 帰ってほしいの - "I Want You Back" (The Corporation) - 2:59
4. キャン・ユー・リメンバー - "Can You Remember" (Thom Bell, William Hart) - 3:06
5. シャドウズ・オブ・ラヴ - "Standing in the Shadows of Love" (Holland-Dozier-Holland) - 4:01
6. ユーヴ・チェンジド - "You've Changed" (Gordon Keith) - 3:12

Side 2

1. マイ・シェリー・アモール - "My Cherie Amour" (Stevie Wonder, Sylvia Moy, Hank Cosby) - 3:40
2. フーズ・ラヴィン・ユー - "Who's Lovin' You" (Smokey Robinson) - 4:01
3. チェインド - "Chained" (Frank Wilson) - 2:50
4. アイム・ルージング・ユー - "(I Know) I'm Losing You" (Norman Whitfield, Eddie Holland, Cornelius Grant) - 2:13
5. スタンド! - "Stand!" (Sylvester Stewart) - 2:34
6. ボーン・トゥ・ラヴ・ユー - "Born to Love You" (Ivy Jo Hunter, William "Mickey" Stevenson) - 2:27

このように、『帰ってほしいの』は、ジャクソン5の音楽キャリアを築く上で大きな役割を果たしたアルバムであり、多くの名曲を世に送り出しました。

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