常信寺 (松山市)

常信寺は、愛媛県松山市に位置する天台宗の寺院です。久松家四ヶ寺のひとつとして知られています。

歴史

常信寺の起源は、持統天皇4年（690年）に勅令により建立された法相宗の神宮寺に遡ります。その後、大同年間（806年-809年）頃に真言宗に改宗し、寺号を弘真院と改めました。

天長6年（829年）には天台宗に改宗し、住職に光定を迎え、伝円仁（慈覚大師）作とされる十一面観音菩薩像を安置しました。この頃から、地域における信仰の中心としての役割を担うようになります。

寛永12年（1635年）、松山藩主となった松平定行は、松山城の鎮護のため、京の延暦寺や江戸の寛永寺の先例に倣い、常信寺を現在地に移転させました。この際、寺号を常信寺と改めました。松平家の庇護のもと、寺は発展を遂げることになります。

移転後の初代住職には、天海（慈眼大師）の弟子である憲海が就任しました。憲海は寺の基礎を固め、教学の発展に尽力しました。

宝永元年（1704年）には火災により焼失しましたが、翌年には再建されました。しかし、寛政4年（1792年）にも再び火災に見舞われ焼失。その後、再建されています。

明治維新の際には、庫裏や書院が破却されるなどの被害を受けましたが、その後復興を果たしました。幾多の困難を乗り越え、現在に至るまで、地域の人々の心の拠り所となっています。

塔頭

見明院
本覚院

文化財

愛媛県指定史跡
松平定行の霊廟

脚注

参考資料

* 藤本数夫「祝谷山常信寺の歴史と松平家」伊予史談会『伊予史談』所収

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