常用時

常用時（じょうようじ）とは

常用時（civil time）とは、日常生活で一般的に使用される時刻系です。これは、平均太陽が南中する時間を正午とし、その半日前の深夜0時を1日の始まりとして定義します。この深夜0時が日界（1日の起点と終点）となります。

地方時と標準時

太陽が南中する正午の時刻は、経度によって異なります。そのため、各地域にはそれぞれの地方時が存在します。しかし、日常生活においては、それぞれの地域を管轄する政府が定める標準時を用いることが一般的です。また、サマータイムを導入している地域では、その期間中は時刻が1時間早められます。

12時間表示の時計

標準時に基づく常用時は、一般的に12時間表示の時計で表示されます。これは、それぞれの地域における地方時刻として機能します。

天文学における常用時の採用

天文時からの移行

天文学では、1925年1月1日以前には「天文時」（astronomical time）と呼ばれる時刻系が使われていました。これは、古代ギリシャの天文学者クラウディオス・プトレマイオスが創始したもので、正午（常用時における昼の12時）を1日の始まりとしていました。

天文時が使われていた理由

天文時が使用されていた主な理由は、天文観測が主に夜間に行われるため、観測中に日付が変わる煩雑さを避けるためでした。正午を起点とすることで、夜間の観測中に日付が変わることがなく、データ整理が容易になったのです。

常用時への統一

しかし、アメリカ合衆国、イギリス、フランスの合意に基づき、天文学でも1925年1月1日以降は、深夜0時を1日の起点とする常用時が採用されるようになりました。これにより、天文学と日常生活の時刻系が統一され、より使いやすくなりました。

ユリウス通日との関係

ただし、ユリウス通日については、引き続き正午を起点とする定義が用いられています。これは、ユリウス通日が天文学の分野で長く用いられてきた歴史的な経緯によるものです。

まとめ

常用時は、日常生活に欠かせない時刻系であり、その定義は天文学の分野にも大きな影響を与えました。標準時の導入やサマータイムの適用など、時代とともに変化しながら、私たちの生活を支えています。

関連情報

• - 太陽時: 太陽の動きに基づいた時刻。
• - 日界: 1日の始まりと終わりを示す境界。
• - 天文時: 1925年以前に天文学で使用されていた時刻系で、正午を起点とする。
• - 世界時: 国際的に使用される時刻の基準。

外部リンク

• - Time Scales

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