常田佐久

常田佐久（つねた さく）について

常田佐久は1954年7月14日に東京都文京区で生まれた著名な日本の天文学者です。専門分野は、人工衛星、観測ロケット、気球などの飛翔体を使用した天文学及び太陽研究となります。特に、彼は国立天文台の台長として知られ、長年にわたり太陽の観測と研究に取り組んできました。

学歴と専門分野

常田氏は1978年3月、東京大学の理学部天文学科を卒業し、その後、大学院に進学しました。1980年に修士課程を修了し、1983年には同大学院の博士課程を修了、理学博士の学位を取得しました。彼の研究は主に太陽に関連するものであり、特に太陽フレアやコロナに対する観測に力を注いできました。

職歴と研究活動

1986年には東京大学東京天文台の助手に就任し、徐々に助教授、教授へと昇進しました。1996年には国立天文台で教授として迎えられ、2012年まで太陽物理学に関する研究を続けました。2013年からは宇宙航空研究開発機構（JAXA）の理事を務め、2013年から2018年まで宇宙科学研究所の所長も歴任しました。

特に注目すべきは、彼が1981年に日本初の太陽観測衛星「ひのとり」の計画に参加したことです。このプロジェクトでは小田稔氏を中心とした先細な研究者の指導の下、硬X線望遠鏡の開発に携わりました。その後の「ようこう」や「ひので」といった衛星プロジェクトでも、計画提案や望遠鏡の開発を指揮し、日本における太陽観測の先駆者としての地位を確立しました。

また、若手研究者との共同研究を重視し、観測ロケットや気球を活用した新たな観測手法の開発を進めています。後進の育成に力を入れながら、次世代の天文学者を育てることにも尽力しています。

台長としての役割

常田氏は国立天文台の台長に就任した後、特に2020年の春ごろから、執行部に対する批判が表面化しました。この問題の解決に向けて、観山正見を委員長、佐藤勝彦を副委員長とする国立天文台コミュニティ間意思疎通推進委員会が設立され、様々な報告書が発表されました。2022年3月には台長の任期が終了し、次の人事についても注目が集まりましたが、2021年11月30日には2年間の延長が決定されました。

2023年9月には岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の館長に就任しました。これにより、多角的な視点から航空宇宙分野の発展に寄与する活動が期待されます。

受賞歴と著書

常田氏の業績は数々の賞によって評価されており、1996年には井上学術賞、2009年には日本天文学会林忠四郎賞、さらには2019年には日本学士院賞を受賞しています。また、著作として『太陽に何が起きているか』や、『太陽活動の謎 NHKサイエンスZERO』があり、一般向けにも彼の研究成果を伝えるための著作が行われています。これらの活動を通じて、常田佐久は日本の天文学の発展と太陽研究の深化に貢献し続けています。

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